電力=3月18~22日:電力スポットは前週比で反発、寒の戻りで
3月18~22日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに反発。前週に比べ低めの気温が続いたため、スポット市場への売りが減少し、買いが売りを上回る日が多くなるなど価格上昇を招いた。祝日明けの21日には、全エリアの18時30分~19時に高値36.59円を付け、太陽光発電の影響がない夕方や夜間で30円台や20円台など2けたの価格が並んだ。30円以上の価格を付けたのは昨年9月21日以来で、定期点検などで停止する火力発電が増えるなか、季節外れの気象動向や火力発電の不具合停止などが生じた場合、思わぬ高値を付ける可能性があることが改めて認識される格好となった。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、18日が2.01円、19日が0.03円、20日が0.62円、21日が0.01円、22日が0.93円の東高西低だった。
燃料相場は、前週比でLNGが上昇、石炭が軟化、原油が小幅高となった。 北東アジア市場のLNGスポットは、週後半時点(3月21日)で期近の24年4月着品がmmBtuあたり9ドル台後半となり、前週末(3月15日)から0.5ドル超の上昇となった。10ドルを超えた日もあった。欧州の天然ガス相場が強基調で推移したことや、豪州で熱帯低気圧が発生し海上輸送に支障が生じたことなどが強材料となった。経済済産業省が21日に公表した、17日時点の発電用LNGの在庫は160万トンとなり、前週から11万トン減少した。前年3月末時点の233万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも大きく下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、週後半時点で24年4月積みがトンあたり124ドル台後半となった。前週末から5ドル程度の下落となった。これまでの上昇で高値警戒感が強まり、売りが先行した。 原油相場は、22日午前時点でWTIの24年5月物がバレルあたり80ドル台後半、ブレントの24年5月物が85ドル台半ばで推移している。いずれも前週末から0.3ドル程度の小幅上昇となった。強弱材料が入り混じり、相場は拮抗した。ロシアの供給減が見込まれた一方、ドル高で割高感が強まったことや欧州の景気悪化観測が弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、21日の全9エリアとシステムプライス(SP)で付けた36.59円。一方、実勢安値は0.01円となり、18日は北陸から九州の5エリアとSP、20~22日は九州でそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比1.92円高の13.74円、東北が同1.74円高の12.13円、東京が同1.17円高の12.25円、中部が同1.64円高の11.93円、北陸が同1.50円高の11.59円、関西が同1.80円高の11.53円、中国、四国が同1.83円高の11.53円、九州が同1.01円高の9.94円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比5.7%減の9億7,277万950kWh、買い札が同4.4%増の9億4,832万2,680kWhとなった。約定量の週間平均は同1.9%増の6億8,283万40kWhだった。
3月18~22日の9エリアの電力需要は、126億5,824万3,000kWhとなり、前週3月11~15日の126億6,675万1,000kWhから0.1%減少した。なお、曜日を合わせた前年の3月20~24日の需要実績は107億6,050万9,000kWhで、増加率は17.6%となった。
3月18~22日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
3月18~22日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
3月18~22日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。201件の約定があった。
3月最終週の電力スポットは、第4週から軟化傾向となりそう。第4週から気温が大幅に高くなるため、需要が減少する見通しとなり、買い気の低下が価格の上値を抑えるとみられる。ただ、週を通じて雨模様の日が多いため、太陽光発電は減少傾向となり、日中時間帯(8~16時)は下げ渋る動きとなりそうだ。
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