アジア石油製品=3月18~22日:中間品軟化、域外向け需要が減退
ガソリン ノンオキシー品相場の値動き目立つ、供給減で週後半に反発 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場はノンオキシー品の値動きが目立った。週後半には台湾積み93RONガソリンや中国積み92RONガソリンが反発した。域外品の流入が減り、供給過剰が解消され始めた。紅海の地政学リスクで中東やインド品がアジアへ多く流れていたものの、このところは流入しなくなっているようだ。そのうえ、MR船型の運賃が下落していることも上げ材料となった。 需要面で弱材料も見られる。ノンオキシー品のガソリンの主要な仕向け先である豪州の輸入が減少。豪州で冬場の不需要期に差し掛かり、買い気が細っている。
ナフサ クラッカー稼働低下の観測、エチレンとの価格差縮小 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で20.00~21.00ドルのプレミアムで推移している。 5月前半着の動きは本格化していない。市場関係者からは日本の石化会社がスポット調達を抑える可能性が指摘された。足元、中間品を中心に製油所の採算性は堅調となっている。また、春季以降は日本の元売り各社が定期修理を控えていることもあり、常圧蒸留装置(トッパー)の稼働を高水準で維持する見通し。こうした状況下でパイプラインを通してのナフサ供給量は多くなりそうだ。しかし、ナフサとエチレンの価格差が縮小しているため、石化会社はクラッカーの稼働率を引き上げにくい環境となっている。こういった状況から、石化会社がスポット市場でナフサを確保する必要性が低下するとの予想が出た。 韓国においても大韓油化工業(KPIC)がナフサとエチレン市況悪化から、クラッカーの稼働率引き下げを検討しているとの情報がある。
中間留分 0.001%S軽油反落、韓国からの売り気強く 油類税延長の可能性 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟調。域外向け需要が一段落している。4月下旬韓国積み品がFOBベースでシンガポール市況に対し、90セントのディスカウント程度で売買された。豪州向けの買いが一巡しつつある。加えて、欧米へのアービトラージも閉じており、相場は下押しされた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は週の後半に下落した。需給が緩むとの見方が優勢となった。4月中旬韓国積みMR船型がFOBベースでシンガポール市況比1.80~1.90ドルのディスカウント、同下旬韓国積みMR船型がFOBベースで同2.10ドルのディスカウントで取り引きされた。 韓国積み品の売りが旺盛だった。韓国で油類税の引き下げ措置の終了期限について、現在の4月末から再び延長される可能性が浮上しているという。この影響で国内在庫を溜め込む必要性が薄れていると指摘された。 また、欧州からの需要が弱まるとの観測も台頭している。市場関係者によると、ロシア政府が製油所の定期修理を遅らせ、供給量を維持する意向を示したことが一因とみられる。米国のジェット燃料在庫も積み上がっており、「世界各地で需給緩和感が生じている」と市場関係者は述べた。
重油 3.5%S相場が下落、域内で余剰感強まる 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は下落した。供給過剰感が相場を下押した。韓国積み品の商談水準について市場では、同市況に対し30ドル程度のディスカウントに落ち込んでいるとの見方が伝えられた。主要な輸出先である中国で需要が停滞しており、韓国品の持ち込み先がなくなっている。韓国石油会社の一部は、国内バンカー市場への供給を優先している。また、中東などからアジアに流入する高硫黄品も増えており、シンガポールを中心とする市場で余剰感が解消される見通しは立っていない。
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