原油・コンデンセート=3月4~8日:サウジOSP、割高との見方
中東原油/コンデンセート サウジアラビア国営サウジアラムコは5日、アジアの契約者向けとなる4月積みアラブ・ライト原油(AL)の公式販売価格(OSP)のフォーミュラを、4月積みドバイ原油およびオマーン原油の平均値に対し1.70ドルのプレミアムと、前月から20セント引き上げた。サウジアラムコがOSPを確定する際に参考とする2月におけるドバイ原油の月間格差が、1月に比べ10~20セント拡大していたことが考慮されたとみられる。ただシンガポール企業は、「サウジアラムコは今年に入り、販売量の維持拡大を目的に、政策的にALのOSPの引き上げを見送ってきただけに、今回の4月のOSP上昇は意外だった」と伝え、予想よりもやや割高との見方を示した。サウジアラムコはアラブエクストラライト(AEL), アラブミディアム(AM)、アラブヘビー(AH)のOSPも20~30セント引き上げた。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート スーダン産原油の商いでは、パイプラインからの石油の漏洩により、ダーブレンドは生産が停止されているが、その後、南スーダンの生産者が2月後半にダーブレンドの供給に対しフォースマジュールを適用していたことが判明した。マレーシアの国営ペトロナスは、3月積みのダーブレンドの販売入札を見送った。シンガポールのトレーダーは、ダーブレンドは依然としてフォースマジュールが適用されており、少なくとも2月積みと3月積みの供給には影響が出るとの見方を示した。2月積みのダーブレンドは既報のとおり、欧州のビトールが入札で60万バレル1カーゴを手当てしたが、同カーゴの船積みはキャンセルされたようだ。このため、同社は代替えのカーゴを探す必要がある、と上述のシンガポールのトレーダーは指摘した。
南方原油/コンデンセート 5月積みコンデンセートの商いでは、NWSCの供給プログラムが6日に確定し、1カーゴのみ供給される。英シェルが5月24~28日積み1カーゴを保有している。NWSのガス田で定修が実施されることに伴い、例月に比べて供給量が大幅に減少した。5月積みNWSCは当初、2~3カーゴの供給が見込まれていたが、5月積みの供給が市場予想を大幅に下回ったことから、需要家の多くは需給逼迫によるNWSCの相場高騰を懸念している。
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