アジア石油製品=2月26日~3月1日:中間品軟調、中国からの販売増
ガソリン 供給潤沢で、ノンオキシー品市況が下落 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は、台湾積み93RONガソリンや日本積み92RONガソリンが下落した。供給増が相場を下押した。フレートが高止まりしているなか、域外向けの輸出採算が合わない。一方、欧州向けの供給リスクが懸念され、中東やインド品がアジアへ流れ、供給に潤沢感がある状況は変わらず。
ナフサ 相場の上値重く、供給量回復で 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で13.00~14.00ドルのプレミアムで推移している。4月前半着市況の上値は重かった。中東の製油所で冬の定期修理シーズンが終盤に差し掛かっており、4月北東アジア着品の供給直が徐々に回復してきているという。日本の石化1社は28日、入札を通じて4月前半着オープンスペック25,000トンをCFRベースで同市況に対し10.00ドル強のプレミアムで購入したと伝えられた。 日本着バイオナフサの価格は通常の原油由来のナフサと比べて3~4倍高くなっている。生産される製品の品質などに違いがないため、「採算が合わなければ、バイオナフサを原料に用いるのは難しい。法整備も進んでいない」と市場関係者は指摘した。
中間留分 ジェット燃料軟化、米豪向け引き合い減退 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化した。需給の緩みが意識され、相場は弱含んでいる。韓国1社は27日、入札を通じて3月26~28日積み30万バレルをFOBベースで同市況に対し1.60ドル程度のディスカウントで販売した。これまで玉を調達していた豪州や米国勢からの調達が一巡し、買い気が弱まった。供給面では中国勢が販売を進めており、需給が緩和していると指摘された。船関連ではMR船型が逼迫しており傭船が難しいことから、FOBベースでの取引が下火となっているようだ。 スペインの石油会社セプサは大手バイオ燃料会社Apicalの子会社であるBio-Oilsとの間で年間50万トンの第2世代バイオ燃料プラントを建設中だ。2026年の稼働開始を予定している。この工場からは主に持続可能な航空燃料(SAF)とバイオディーゼルが精製される見通しで、完成すれば両社のバイオ燃料の生産能力は現状の約2倍となる。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落した。韓国1社は28日、入札を通して3月29~31日積みの0.05%S軽油MR船型1カーゴをFOBベースでシンガポール市況比4.10ドルのディスカウントで販売した。買い手は明らかではない。韓国積みの高硫黄軽油のディスカウントは拡大傾向となっている。東南アジア向けの引き合いが落ち着いている。また、2月積み品での高硫黄軽油の市況上昇から、3月では石油会社による精製と販売が増強されているようだ。
重油 アジアでHSFOの余剰感解消されず 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合った。韓国積み高硫黄重油の新たな商談は聞かれない。ただし、需給緩和感を受けて相場の基調は弱い。市場関係者によると、今後、クウェートなど中東からアジア向けのカーゴが増加する可能性があるようだ。一方、船舶燃料用の高硫黄品を物色する動きは限られる。このためシンガポールを中心とするアジア市場では、余剰感の解消が進んでいない。
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