電力=1月22~26日:電力スポットは西高東低に、寒波や発電設備の不具合などで
1月22~26日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに上昇し、西高東低に逆転した。西日本で急激に冷え込みが強まったほか、火力発電の不具合停止や原子力発電の出力低下なども影響したとみられる。電源開発(Jパワー)の橘湾石炭火力1号機(定格出力105万kW)が、24日9時21分に計画停止した。設備の不具合が原因だという。また、関西電力の高浜原発1号機(82万6,000kW、PWR型、福井県高浜町)は、22日に給水ブースタポンプの入り口配管から蒸気漏れが認められ、出力を40%に低下させた。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、22日が1.40円、23日が0.18円の東高西低だったが、24日が0.21円、25日が0.56円の西高東低となり、26日が0.21円の東高西低だった。東日本3エリアと西日本6エリアのそれぞれの平均では、北海道と東北が割安だったこともあり、西高東低がより顕著となった。
燃料相場は、前週比でLNGが小幅高、石炭が小幅安、原油が上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、週後半時点(1月25日)で期近の24年3月着品がmmBtuあたり9ドル台後半となった。前週末(1月19日)からは0.3ドル程度の小幅高。北東アジア市場では、スポット供給が潤沢となっている状況に変わりはないが、欧州の天然ガス相場が底上げの動きとなり、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。経済済産業省が24日に公表した、1月21日時点の発電用LNGの在庫が249万トンとなり、前週から7万トンの減少となった。ただ、前年1月末時点の239万トン、過去5年平均の191万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、週後半時点で24年3月積みがトンあたり115ドル台半ばとなった。前週末からは3ドル程度の下落。暖冬の影響で需要が鈍化しており、相場の重しとなっているもよう。 原油相場は、26日午後時点でWTIの24年3月物がバレルあたり76ドル台後半、ブレントの24年3月物が82ドル台前半で推移している。いずれも前週末から3ドル強の上昇となった。米国や中国の経済指標に回復基調が示されたほか、米国の原油在庫が市場予想を大幅に上回る減少幅となったことが強材料となった。
週を通じた実勢高値は、24日の東京から九州の7エリア、25日の西日本で付けた20.87円。一方、実勢安値は25日に北海道と東北で付けた5.12円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.38円安の9.61円、東北が同0.41円安の9.56円、東京が同0.36円高の11.83円、中部が同0.78円高の11.81円、北陸が同1.23円高の11.63円、関西と中国が同1.42円高の11.61円、四国が同1.42円高の11.60円、九州が同1.41円高の11.60円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比2.2%減の11億1,058万5,36kWh、買い札が同11.2%増の9億5,481万420kWhとなった。約定量の週間平均は同2.5%増の7億2,633万5,930kWhだった。
1月22~26日の9エリアの電力需要は142億8,574万7,000kWhとなり、前週1月15~19日の137億9,179万kWhから3.6%増加した。なお、曜日を合わせた前年の1月23~27日の需要実績は155億2,425万9,000kWhで、減少率は8.0%となった。
1月22~26日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
1月22~26日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
1月22~26日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
1月最終週の電力スポットは、第4週に比べて軟化傾向となりそう。気温が高めに推移する見通しとなっており、暖房需要も若干落ち着くとみられ、価格にも影響するとみられる。複数の市場関係者からも「上値の重い展開が続く」との見方が多く聞かれており、上値に対する警戒はほぼ皆無となっている。
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