LNG=1月22~26日:関西電力が12カーゴの買い付け入札
DES北東アジア相場は先週、期近の3月前半着が一時、9.15~9.45ドルまで下落した。蘭天然ガス(TTF)市況が軟調に推移しているうえ、北東アジアにおいても需要家の在庫に大きな不足はなく、調達の動きは鈍いことから、引き続き供給過剰感が漂っている。このなか、しばらく市場で音なしだった日本勢で動きがみられた。 関西電力は2024年4月~2025年3月着各月1カーゴの計12カーゴが対象の買い付け入札を開示した。同社は不具合が発生した高浜原子力発電所4号機(定格出力87万kW)の再稼働延期を受け、代替としてLNG火力発電の需要が増加した。また、「関西電力は2024年に北西豪州大陸棚プロジェクト(NWS、年産1,630万トン)出しの長期契約が満了する。これにより年間100万トン以上の供給が減少するため、とりあえず1年契約の買い付けに動いたのではないか」(日本企業)との見方が寄せられた。関西電力は2025年にもプルートプロジェクト(同490万トン)出しの長期契約が満了する予定。 長期契約の商いでは、北海道ガスが9月26日応札の締め切りで開示していた買い付け入札を通して、2027年起こし最低5年の年間3~4カーゴを購入したもよう。落札者は明らかとなっていないが、BP、仏トタルエナジーズ、伊炭化水素公社(ENI)、JERA、丸紅の5社が最終候補に残っていたと伝えられた。北海道ガスは冬場着を厚めに受け取りたい意向のため、落札価格は割高になった可能性がある。 一方、中国勢では深圳能源(Shenzhen Energy)が3月前半着の1カーゴを購入した。価格9ドル台前半とみられている。韓国高炉大手POSCOも今週、2~3月着を計2カーゴ購入した。「9ドル台前半であれば、長期契約のカーゴの輸入コストを下回っているはず。需要家が値ごろ感から買いに動くのは納得がいく」(ポートフォリオプレーヤー)。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インドでは国営グジャラット州石油会社(GSPC)は25日応札の締め切りでDESベースの買い付け入札を開示した。対象は2月15~19日着の1カーゴ。同社は既報どおり、18日締めの入札で2月16~18日着を9.40ドルで買い付けている。ただ、「南アジアの需要家は安いから買っているだけで、必要に迫られているわけではない」と日本企業は指摘する。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では暴風雨「ジョセリン」の来襲で蘭天然ガス(TTF)市況が下落する局面がみられた。昨年秋から欧州で暴風雨が来襲するのはジョセリンで10回目。暴風雨は通常、温暖で風力発電の稼働が上がるため、ガス火力向けの燃料需要が減り、市場で弱材料視される。南米ではコロンビア向けの需要が底堅い。
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