電力=1月15~19日:電力スポットは前週から小動き、材料難で
1月15~19日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに小動きだった。朝晩は真冬の寒さになってきたものの、昼間は暖冬の影響からかそこまで寒さが厳しくなかったことや、北日本や日本海側を除き晴れ間の日が多かったことで太陽光発電にも恵まれ、昼間価格の上値を抑えた。さらに、ガス価格など燃料相場が軟調に推移したことも弱材料となった。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、15日が1.39円、16日が1.13円、17日が1.12円、18日が0.84円、19日が1.95円と、いずれも東高西低となった。
燃料相場は、前週比でLNGや石炭が軟調に推移し、原油が底上げの動きとなった。 北東アジア市場のLNGスポットは、週後半時点(1月18日)で期近の24年2月着品がmmBtuあたり9ドル台半ばとなった。前週末(1月11日)からは1ドル弱の下落。北東アジア市場では、スポット供給が潤沢となっているほか、欧州の天然ガス相場も下落基調が続き、相場の重しとなった。経済済産業省が17日に公表した、1月14日時点の発電用LNGの在庫が258万トンとなり、前週から7万トンの上積みとなった。前年1月末時点の239万トン、過去5年平均の191万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、週後半時点で24年2月積みがトンあたり122ドル台後半となった。前週末からは5ドル前後の下落。暖冬の影響で需要が鈍化しているほか、LNGの下落も重しとなった。 原油相場は、19日午後時点でWTIの24年2月物がバレルあたり73ドル台後半、ブレントの24年3月物が78ドル台後半で推移している。いずれも前週末から1ドル前後の上昇となった。中東情勢の緊迫化が続いているほか、米国の原油在庫が市場予想を上回る減少幅となったことも強材料となった。
週を通じた実勢高値は、17日に東京から九州の7エリアとシステムプライスで付けた17.05円となった。一方、実勢安値は17日にシステムプライスで付けた4.65円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.38円安の9.99円、東北が同0.38円安の9.97円、東京が同0.36円高の11.47円、中部が同0.14円高の11.03円、北陸が同0.29円安の10.40円、関西と中国が同0.33円安の10.19円、四国が同0.34円安の10.18円、九州が同0.21円安の10.19円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比5.8%増の11億3,540万8,850kWh、買い札が同1.9%増の8億5,865万5,770kWhとなった。約定量の週間平均は同2.0%増の7億843万6,260kWhだった。
1月15~19日の9エリアの電力需要は137億9,179万kWhとなり、前週1月8~12日の136億7,545万9,000kWhから0.9%増加した。なお、曜日を合わせた前年の1月16~20日の需要実績は138億6,949万4,000kWhで、減少率は0.6%となった。
1月15~19日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
1月15~19日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
1月15~19日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。約定件数は258件に達した。
1月第4週の電力スポットは、第3週から底上げの動きとなりそう。気温が低めに推移する見通しで、暖房需要の強まりが価格動向にも波及するとみられる。ただ、足元では供給力や燃料在庫も潤沢のため、予想を上回る寒波や大規模な電源脱落などがない限り、上げ幅は限定的とみられる。
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