原油・コンデンセート=1月8~12日:IOCが落札を見送る、サウジ玉で
中東原油/コンデンセート 国営サウジアラムコは11日、アジアの長期契約者に対する2月積みの供給に関して、アラブライト(AL)をはじめとした各種の供給を契約どおり行うと通告した。北東アジアのエネルギー企業を含む長期契約者の多くは、サウジアラムコが2月積み各種のOSPを前月から一律2.00ドル引き下げていたことから、同社が拡販路線に舵を切るとの見方を強めていた。一方シンガポールのトレーダーは「サウジアラムコは2月積みに対する拡販の一環として、長期契約者による追加供給の要請も承諾する」との見方を強めている。1月上旬の市場では、インドのエネルギー企業を含む複数の長期契約者がサウジアラムコに対して2月積みの追加供給を要請していた。実際、インド国営石油(IOC)を含むインドの企業は、契約上の諸条件の折り合いがつかないことから、ロシアのサハリン産ソコールの引き取りを減らしており、代替としてアラブエクストラライト(AEL)を中心に、契約に追加して引き取れるよう、サウジアラムコに要請しているもようだ。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 国営インド石油(IOC)は、2月積みのスウィート原油の買い付け入札を今週初めに開示していたが、同社は11日の市場で同入札をキャンセルしたと伝えられた。キャンセルした背景は、IOCがサウジアラビアの国営サウジアラムコから2月積みのターム玉を契約量よりも多く引き取ることができたことが挙げられる。IOCなど一部のインドの需要家は、サウジアラビアに対して2月積みのターム玉を契約量よりも多く引き取れるよう要請していた。「インド向けにサウジアラビアのターム玉が多めに供給された」とシンガポールのトレーダーは指摘した。さらに、VLCC型船舶の船運賃の上昇によって、西アフリカ産原油のインド到着ベースの価格が割高になったことも背景にあるようだ。
南方原油/コンデンセート ベトナムのビンソン石油精製化学(BSR)が3月からズンクワット製油所(日量14万バレル)の定修を実施する予定。定修期間は約40日。定修期間中、同製油所で精製していたバクホライトやルビーなどのベトナム産原油をベトナム国営PVオイルがスポット市場で販売すると予想されるため、3月積みベトナム産のセンチメントは需要減を背景に弱い、とシンガポールのトレーダーは指摘した。一方、既報通り、PVオイルは12日応札の締め切りで3月積みスツデン3カーゴの販売入札を実施中。上記の定修に伴いBSRが3月積みスツデンのターム玉を引き取らないことから、PVオイルはスツデンの供給余力が増大した可能性がある、と同トレーダーはみている。さらに、PVオイルは3月積みバクホライトおよびバクホヘビーの販売入札を開示見通しで、同社は最大で計3カーゴを販売する可能性がある、との見方が寄せられた。
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