原油・コンデンセート=1月11~15日:3月積みソコールが軟化、中東産軽質の下落と中国の需要減で
中東原油/コンデンセート アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)は10日、2月積みのマ-バン原油の公式販売価格(OSP)のフォーミュラを通知した。ADNOCは1月積みマーバンのOSPフォーミュラを前月から25セント上方修正した。水準は、2月積みドバイ原油に対し75セントのプレミアム。サウジアラビア国営サウジアラムコが競合するサウジアラビア産アラブエクストラライト(AEL)のOSPを50セント引き上げたほか、同国による2~3月の自主的な減産によってスポット市場での原油需要増が見込まれることを背景に、ADNOCは2月積みOSPを前月から引き上げたとみられる。ADNOCはこのほか、軽質油種のウムルル原油とダス原油の2月積みOSPを対マーバンで前月から据え置いた。一方、中質油種のアッパーザクムの2月積みOSPを対マーバンで前月から5セント引き上げた。これによりアッパーザクムのOSPがマーバンを6カ月ぶりに上回った。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 3月積みサハリン産ソコールの市況連動相場が下落した。競合するアブダビ産マーバンが下落したことで、ソコールの相場も軟化した。石油資源開発(JAPEX)が、1カーゴの3月積みソコールを販売した。買い手は韓国のSKエナジーで、価格はドバイ市況に対して80セント前後のプレミアムと伝えられた。SKエナジーは既報の通り、インド石油天然ガス公社(ONGC)からも1カーゴを調達しており、3月積みは計2カーゴを手当てしたことになる。3月積みソコールの相場下落について、北東アジアの需要家は「中国でも軽油在庫が増加しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大で移動が制限されており、中国の原油需要が低迷していることも相場を押し下げた」との見方を示した。
南方原油/コンデンセート 3月積みマレーシア産原油の相場は軒並み軟化した。マレーシアでも新型肺炎の感染が拡大していることから、国内での原油処理が低下し、通常よりも多めのスポット玉が放出されるようだ。同じくマレーシア産のキケも既報のとおり、米コノコフィリップスのカーゴに加え、PTTEPもスポット玉を持っているようだ。「ラブアンなどのマレーシア産原油の相場がDTDブレントに対して2ドル半ば近いプレミアムで成約されると考えるのは、楽観的過ぎる」とシンガポールのトレーダーは指摘し、成約可能水準はDTDブレントに対して2ドル台前半のプレミアムとの見方を示した。 |