電力=11月9~13日:東西とも強含み、北から暖房需要じわり
卸電力市場は、東日本と西日本がそろって強含んだ。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(11月9日~13日受渡)の平均でみると、前の週(2~6日受渡:3日は祝日)と比べ、東日本が1kWh当たり(以下同)0.40円高(7.4%上昇)の5.78円、西日本が0.20円高(2.8%上昇)の7.42円。北から冷え込みが徐々に強まり始め、暖房需要が価格を押し上げやすくしたとみられる。ただ、一部地域を除き晴れ間に恵まれ、太陽光発電からの供給が上値を抑えたもよう。東日本と西日本の平均の格差は西高東低の1.64円と、同じく西高東低の1.84円だった前の週よりも縮小した。
寒気が北海道で強まり、その他の地域でも気温が低下してきた。予想最高気温(気象庁の前日発表)は、東日本の東京と西日本の大阪でともに(セ氏)20度を下回る水準が常態化。主要6都市の予想最低は、東京で9日が11度、10日が8度、11日が7度、12日が7度、13日が7度。仙台は、順に7度、5度、5度、2度、3度。札幌は、3度、1度、零度、零度、5度。一方、大阪は12度、11度、10度、8度、13度、名古屋が10度、10度、7度、8度、8度、福岡が12度、11度、8度、10度、9度だった。半面、天気は降雪予想の多かった札幌を除く5都市では、連日、晴れ間がみえるか、晴天が予想された。
JEPXの1日前市場では、最も市場規模の大きい東京エリアの平均が5.60円と、前の週と比べ0.23円高。気候条件の違いや本州との連系線の制約により独自の動きになりやすい北海道エリアは、同2.33円上昇し、7.85円に達した。東北エリアは東京と同じ動き。時間帯別では、東京と東北では、夜間が値上がりしたが、昼間は弱含んだため、24時間全体の上げを抑えた。北海道は、昼間、夜間ともに上昇し、特に昼間のうちピーク時の上げが急激だった。 西日本の最大市場である関西エリアの平均は7.45円と、前の週と比べ0.22円の低下。価格が他地域と比べ割安水準で推移することの多い九州エリアは、同0.08円高の7.28円だった。両域の価格差は0.17円で、前の週の0.03円から拡大。時間帯別にみると、関西、九州ともに夜間が値上がりしたが、昼間が低下した。特に昼間のうち太陽光発電の影響が大きいピーク時の下げが目立った。西日本では、夕方の一部時間帯の価格上振れが続いた。同時間帯での揚水電力、もしくは、石油火力などの多用による影響の可能性が市場の一部で取りざたされていた。夜間の上昇については、昼間の価格の下げ過ぎを避けるため、太陽光以外の発電を手控え気味にした部分もありそう。
JEPXのスポット取引(1日前市場)は9日受渡から13日受渡の5日間で、システムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.07円安(1.1%低下)の6.06円だった。同期間の1日平均の約定量は約8億7,700万kWhと、前の週より4,100万kWh減った。
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