アジア石油製品=11月2~6日:韓国積み92RONガソリンは上昇、フレート安が下支え
ガソリン 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は上昇した。フレートの下落が、相場の上昇に繋がった。韓国とシンガポール間のMR船型のフレートはバレル当たり1.00ドル未満に下落しているようだ。また、シンガポール市場では、92RONガソリンの市況連動相場がプレミアム圏を維持している。その中、韓国積み92RONガソリンのシンガポール向けの成約が可能な水準は、FOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.30ドル近辺のディスカウントになりそうだと指摘が市場関係者から寄せられた。
ナフサ 北東アジアでは、液化石油ガス(LPG)とナフサの価格差が拡大しつつある。冬場の需要期に向かうことでLPG価格が上昇基調に推移する一方、域内の需給緩和感からナフサの上値は重い。市場関係者によると、北東アジアの需要家は12月前半着品など当面必要な数量の調達にめどをつけている。これに対し、欧米など域外からのアービトラージ品は11~12月も一定数量がアジアに入着する見通しだ。このため、北東アジア着の市況連動相場もこのところディスカウント幅を広げている。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横這い。供給の引き締まりを背景に、相場の基調は強い。しかし、売り物が見当たらず、スポットの取引は聞かれにくい。ジェット燃料の精製マージンが不調なため、北東アジアの石油会社はジェット燃料の生産を極力抑えている。また、日本や韓国の石油会社は灯油の生産に注力している。このため、市場ではジェット燃料のスポット玉が出回りにくい状況が続いている。一方、ジェット燃料の需要はわずかながら回復に向かっているとの声が聞かれる。また、アジアから米西海岸向けのアービトラージも開いているようだ。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。韓国では石油会社各社によって供給体制はまちまちとなっている。SオイルはVLSFO生産を月間ベースで平均12万トン程度から8万トン程度へと削減しているもよう。同社からのVLSFOの基材となる0.5%S重油の輸出も減少している。一方、SKエナジーは製油所稼働率が60%台で低調に推移しているものの、低硫黄重油(LSFO)の売り物は潤沢なようだ。韓国市場関係者によると、「SKエナジーは新規の残渣油脱硫(VRDS)装置の採算を取るためにLSFO供給を継続する必要から売り物を増やしている。年内には同社からの供給が多くの市場シェアを占めてしまうのではないかとの声もある」と伝えている。
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