LNG=9月7~11日:北東アジアで期近の取引が活発に
【DES北東アジア】
DES北東アジア相場は期近が上昇した一方、期先は下落するなど、まちまちな動きだった。期近については複数の販売入札が実施されているものの、日本と中国で期近カーゴの需要が浮上した。東北電力は11日に10月下旬着1カーゴの買付け入札を締め切った。同社は2日締めの入札で10月上旬着1カーゴを落札するなど、活発な買付けを展開している。また韓国の需要家も買いに動くとの見方があり、需給タイト感が強まった。
一方で売り物も潤沢に見られた。マレーシア国営ペトロナスが9日、豪グラッドストーン出しの11月1~3日着を対象に販売入札を締め切った。またパプアニューギニアのPNGLNGも9日、PNGLNGプロジェクト出しの販売入札を締め切った。FOB、DESベースのいずれでも販売を可能としており、FOBベースの場合は10月19日積み、DESベースの場合は北東アジア向けで10月28~31日着が対象だった。この他にもブルネイLNGが販売入札を実施し、FOBベースの場合は10月22日積み、DESベースの場合は10月29~30日着が対象だった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
DES南アジア相場は急騰した。需要が浮上し、需給引き締まり感が台頭した。インド向け商いではRILの他、国営インド石油(IOC)も買いに動いていた。IOCが8日にダヘジ基地向けとして10月9日着1カーゴを対象に、9日にエノール基地向けとして9月10日~10月5日着1カーゴを対象にそれぞれ買付け入札を締め切った。またパキスタンLNG(PLL)は9日、ガスポート基地へ11月8~9日と同18~19日に到着する2カーゴを対象に買付け入札を開示した。パキスタンでは、新型コロナの影響こそ残るものの、経済活動が回復しており発電、輸送や肥料製造や窯業向けなど各産業のガス需要が旺盛となっている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
DES欧州相場は弱含んだ。蘭TTFや英NBPなど欧州のガス相場が続落しており、LNGのスポット相場もつれ安となっている。欧州ではガス需要が減少。今月に入り、地下貯蔵施設への天然ガスの在庫積み増しのペースが大幅に落ちた。貯蔵施設の在庫水準はすでに90%を超えており、これまでのペースで貯蔵することが難しくなっていた。また排出権価格が下落しつつあり、CO2排出量が少ないガスへの需要も減少傾向にあったようだ。