電力=7月20~24日:横ばい、安く始まった後に上昇
卸電力市場は、ほぼ横ばいだった。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(7月20~24日受渡:23、24日は祝日)の平均でみると、前の週(6~10日受渡)と比べ東日本が1kWh当たり(以下同)0.05円高(1.1%上昇)の4.46円、西日本が0.03円高(0.8%上昇)の3.80円だった。東日本を中心とした供給力の積み増しを受け週初は安く始まった。その後、気温上昇などを受けて、持ち直したため、3日間を均すとほぼ横ばいとなった。東日本と西日本の中心値の格差は0.66円と、前の週の0.64円とおおむね同水準。
20日は、東日本を中心に複数の火力設備の運転が再開された。西日本では、むしろ、火力の供給力が低下したが、停止した設備は、直近の低需要を背景に、低稼働率で運用されていた可能性が高い。加えて、関西エリアでは、定格出力が100万kW強の大飯原子力発電所3号機も20日に停止。ただ、20日は広い範囲で比較的日照量に恵まれ太陽光発電からの一定の供給も見込まれたことも手伝い、全体的に需給が緩みやすくなったもよう。日本卸電力取引所(JEPX)の20日取引では平日の取引であるにもかかわらず、最低価格である0.01円の約定が北海道で1コマ(1コマ=30分間)、その他の8エリアでは5コマ、それぞれ発生した。その後、21日、22日は、西日本を中心に予想最高気温が30度を超えたことや雲の広がりを受けて、価格に対する上昇圧力が強まった。特に22日は、降雨の拡大が予想され、湿度上昇に伴う冷房需要の強まりが意識されやすくなったもよう。
JEPXの1日前市場では、最も市場規模の大きい東京エリアの平均が4.45円と、前の週と比べ0.04円の上昇にとどまった。気候条件の違いや本州との連系線の制約により独自の動きになりやすい北海道エリアは、同0.23円高の4.64円。両域間の価格差は、東京安・北海道高の0.19円。これに対し、前の週は東京と北海道は同水準だった。北海道の中心都市である札幌は前週、21、22日と雨交じりが予想され、東京エリアより、太陽光設備からの供給が減りやすくなった可能性がある。東北エリアの平均は4.45円と、引き続き東京と同水準。 西日本の最大市場である関西エリアの平均は3.80円と、前の週と比べ0.06円上昇した。価格が他地域と比べ下振れすることの多い九州エリアも、同0.06円高の3.80円と、関西と同じ動き。東日本の東京エリアでは、夜間平均が0.40円近く下がったが、関西と九州の夜間は0.07円安にとどまった。
JEPXのスポット取引(1日前市場)は20日受渡から22日受渡で、システムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.08円高(2.0%上昇)の4.12円だった。同期間の1日平均の約定量は約8億7,800万kWhと、前の週より2,400万kWhの減少。
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