LNG=6月29日~7月3日:DES北東アジア、需給緩い商況が続く
【DES北東アジア】
DES北東アジア市場では、需給のやや緩い商況が続いた。台湾中油(CPC)や韓国や中国の独立系エネルギー企業向けのスポット需要が散見されたものの、豪州の複数プロジェクトに加え、サハリン、パプアニューギニアやブルネイなどから多くのスポット玉が出てきていた。ブルネイのLNGは3日に、ブルネイプロジェクト出しの1カーゴを対象に販売入札を締め切った。8月16~17日に到着する1カーゴが対象だった。このほかにカタールガス、露ヤマル、ナイジェリア出しのスポット玉も北東アジア向けに売り込まれていたが、需要を残す一部の買い手は先安感から調達を先送りにしていた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
パキスタンLNGが8月着および9月着の買付け入札を開示した。8月着については同27~28日着が対象で、応札の締め切りは7月27日、価格の有効期限は8月4日となっている。9月着については同13~14日着が対象で、締め切りが8月4日、価格の有効期限が同21日となっている。パキスタンLNGが買付け入札を実施するのはおよそ1年ぶりとなる。一方インドでは2度目の都市封鎖(ロックダウン)は発令されていないものの、現在も新型コロナの感染拡大は収まっていない。状況は改善しておらず、圧縮天然ガス(CNG)車向けのガス需要や大型施設向けの電力需要が低迷していた。またモンスーン期間中でダホール基地が引き取りを取りやめていたため、積極的に買いに動くプレーヤーは限定的だった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他】
8月から米国出しの供給がさらに減少すると見られている。ただ引き続きカタールプロジェクトや露ヤマルプロジェクトからは潤沢にカーゴが供給されていたほか、パイプラインガスも順調に供給されていたため、需給逼迫感は見られなかった。アルゼンチン国営IEASAが久方ぶりに買付け入札を開示した。対象はエスコバル基地向けのパーシャル玉5カーゴで、それぞれの到着タイミングは8月9日、17日、26日、31日および9月3日。応札の締切りは7日だった。