アジア石油製品=3月9~13日:92RONガソリンは強含み、ラマダンで
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。需要増の見通しが、相場を押し上げた。イスラム教のラマダンを背景に、インドネシアから4月分の需要が増える可能性がある。今年のラマダンは4月23日から5月23日となっている。中国石油1社は今週、4月9~10日華南積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し小幅なプレミアムと伝えられた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国のYNCCが9日、4月後半着オープンスペック・ナフサを購入。価格は日本市況に対し5.5ドルのプレミアムと伝えられる。原油相場の急落を受け、ナフサ需要が後退するとの観測が浮上。日本着の成約水準は、先週に成約が伝えられた4月後半着玉の半値程度となった。ただ、割安感からその後、12日にはアジア需要家5社のスポット調達が相次いだ。一方、アジアでは、ナフサクラッカーの定修期を迎えている。2~4月にJXTGエネルギーの川崎工場(エチレン年産44万8,000トン)、東ソーの四日市工場(同52万7,000トン)、台湾中油(CPC)の林園工場(同72万トン)、マレーシアのロッテ・ケミカル・タイタン石油化学のパシルグダン工場(同80万トン)などが定修中。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は需要後退観測を受けて下落。新型肺炎の感染拡大の影響で、アジアを中心に軽油需要が大きく落ち込んでいる。例月では既に翌月分のスポットカーゴの商談に移行しているものの、一部の北東アジア石油会社は、依然として3月末積みカーゴの販売を続けている。今週入り後も、日本積み玉がFOBベースで同市況に対し1.00ドルを超えるディスカウント、韓国積み玉が同市況に対し1.50ドル程度のディスカウントでそれぞれ成約されたとの情報が相次いで伝えられた。いずれも期近物のため、割安になったとみられるものの、「韓国や日本の4月積み品の成約可能な水準は、少なくともFOBベースで同市況に対し1.00ドル程度のディスカウント」(トレーダー)との指摘が聞かれた。
重油 韓国積み3.5%S重油(380cst)の市況連動相場は横ばい。ただ、9日の原油相場の急落を背景とした景気後退懸念によって、市況には下押し圧力が強まっている。アジアの主要市場であるシンガポールでは、180cst品および380cst品の先物価格が70ドル以上急降下した。一方、原油相場の大幅下落に比べ、重油を含む石油製品の下げ幅が小さかったため、高硫黄重油のクラックマージンはむしろマイナス幅が縮小した。韓国のトレーダー筋によると、「韓国の製油所でも、景気悪化による需要減少でさらに減産を進めるか、クラックマージンの改善で稼働率を引き上げるか、今のところ不透明」という。
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