東ガス=CO2「調整後排出係数ゼロ」の都市ガス、法人向けに販売開始
東京ガスと東京ガスエンジニアリングソリューションズは、環境省の温室効果ガス排出量算定・報告・公表(SHK)制度で定められた調整後排出係数をゼロにすることができる都市ガスメニューの販売を開始した。東ガスが昨年に立ち上げたソリューション(課題を解決するサービス)事業の一環として開発した。新メニューでは、政府が削減・吸収量を認証する「Jクレジット」などで、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出を埋め合わせ、SHK制度の調整後排出係数をゼロとする。9日の発表時点では、Jクレジットの再生可能エネルギー由来と省エネの2種を活用する予定。 両社の発表によると、SHK制度の事業者別排出係数について、都市ガスにはこれまで「メニュー別排出係数」の規定がなく、調整後排出係数を低減することができなかった。政府が3月25日に出した関連の通達により、都市ガスの「メニュー別排出係数」を設定することが可能になったという。一方、SHK制度の調整後排出係数の低減で、使用するJクレジットの種類に関する規定はない。東ガスは今後、森林吸収由来や地産地消など付加価値の高いJクレジットを活用したメニューも検討する計画。 SHK制度のメニュー別排出係数は、報告前年度の事業者の排出量をもとに算出される。東ガスの新メニューの排出係数は、同社が今年6月半ばに制度事務局に報告する前年度排出量をもとに7月ごろ、制度事務局により公表される。顧客が新メニューを年度途中から採用した場合、新メニュー採用期間のみ、都市ガスの排出係数が調整される。
(新メニューを通じた都市ガスの供給・イメージ) 図の出所: 東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズ 発表資料
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