岩谷産業=低・脱炭素の支援サービスを開始
岩谷産業はこのほど、企業や団体を対象に低・脱炭素に向けた支援サービスの提供を開始すると発表した。二酸化炭素(CO2)削減量を環境価値に置き換えて企業に還元するほか、CO2の排出量算定と可視化を支援する。岩谷産業は環境価値の還元では国が運営するJクレジット制度を活用する一方、C02排出量算定・可視化では、ゼロボード(東京、渡慶次道隆・代表取締役)と協業して新サービスを進める。
燃料転換の進展でニーズ 20日の記者発表によると、製造現場で灯油や重油などからLPG(液化石油ガス)、LNG(液化天然ガス)への燃料転換が進むなか、CO2削減量の有効活用や可視化などに関する顧客からの要望が高まったという。支援サービスを通じて、中小企業で目標を超えた分のCO2削減量を大企業の削減に活用することや、大企業で成功した削減手法を中小企業に広めることも可能になるとしている。環境価値ついては、自治体など地域への還元や、排出量を相殺した(カーボンオフセット)カセットボンベやLPG、LNGの販売での活用を検討する。
CO2削減の価値化サービス CO2削減量の価値化のサービスは、LPGやLNG、都市ガスを燃料とする高効率ボイラーを導入した顧客が対象。CO2排出の削減量を岩谷産業が取りまとめ、Jクレジットの認証を申請する。顧客は認証手続きの手間や費用の負担が不要。CO2削減量に応じて、岩谷産業がサービスを対価として還元する。顧客の目標を超えた余剰のCO2削減量を環境価値にすることでCO2削減の活動を一層推進することができるとしている。
CO2排出量算定・可視化サービス CO2排出量算定・可視化サービスは製造業の企業を中心に提供する計画。CO2排出量算定・可視化のクラウドサービスを利用して各企業がガスや電気などの使用で排出するCO2の算定作業を一括管理する。加えて、CO2削減提案シミュレーションの機能を追加する予定で、顧客に対する有効な削減計画の提案が可能となる見込みという。
取り組みのイメージ図
図の出所: 岩谷産業 記者発表
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