4社=水素供給網の構築でシステム開発・実証へ、未利用電力を活用
貴金属リサイクルのアサヒプリテックなど4社は9月30日、水素供給網の構築に向けたシステム開発と実証試験を開始すると発表した。アサヒプリテックの保有する廃棄物発電所の未利用電力を活用し、水素と副産物を併産し、水素の製造原価の大幅な低減を可能とする製造システムの開発を目指す。環境省が公募した事業に補助事業としてこのほど採択された。アサヒプリテックのほか、燃料電池などを手掛けるエフシー開発、環境関連の調査・支援のクロスサイエンティア、三井住友信託銀行が参画する。
2023年度に安価な水素製造を事業化へ 4社は10月に地域の未利用エネルギーから安価に水素を製造するシステムの開発と実証実験に着手し、2023年度から事業化する計画。事業化では実証試験と同様に廃棄物発電の未利用エネルギーを対象とする構え。技術の成熟度を高めながら研究開発を続け、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから安価な水素を製造するシステムにつなげるとしている。 アサヒプリテックは各種廃棄物の無害化や適性処理を進めるなか、2020年に北九州工場(福岡県北九州市)で同社初の廃棄物発電所の稼働を開始した。ただ、廃棄物発電所の電力のすべてを送電網に接続しきれないという問題に直面しており、数百キロワットの電力が余剰となっているという。 実証事業ではこの未利用の電力を活用するほか、アサヒプリテックが事業の統括を担当する。 一方、エフシー開発は副産物を効率的に併産する水素製造システムの開発を担当し、クロスサイエンティアが水素製造システムを自動運転するための基盤技術の開発を担当。事業化を視野にした需要開拓と事業枠組みの確立を三井住友信託銀が準備する。
図の出所: 4社記者発表
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