シンガポール=12月のバンカー重油販売量、前年同月比3.7%増の446万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、12月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が446万5,700トン(速報値)だったと発表した。前年同月比3.7%(15万7,900トン)増、前月比では9.6%(39万100トン)増と、いずれも増加した。
硫黄分3.5%の380cstは116万4,000トンと、前年同月比で190万8,400トン、前月比35万9,700トンそれぞれ減少した。高硫黄の500cstは10万2,900トンと前年同月比で74万2,500トン、前月比24万2,200トンそれぞれ減少した。高硫黄重油の需要は、2020年1月に始まった船舶燃料の硫黄分規制の導入を前に、大幅に下落した。2019年秋口以降、徐々に高硫黄重油からVLSFOへの転換が進み、一部の排ガス洗浄装置(スクラバー)を搭載する船舶のみ需要が残った格好。
一方、低硫黄のバンカー重油の販売数量はいずれも大幅に増加した。低硫黄の180cstは37万8,300トンと前年同月比35万1,200トン、前月比2万6,100トンそれぞれ上昇した。低硫黄の380cstは225万2,000トンと前年同月比224万5,500トン、前月比95万8,700トンいずれも大幅に増加した。LSMGOは40万7,300トンと前年同月比21万6,500トン、前月比3万2,900トンそれぞれ増加した。
2019年12月、本格的にVLSFOの取引が始まり、アジア最大のバンカー供給港であるシンガポールに需要が集中した。さらに、同月にはシンガポールから約140万トンのVLSFOが中国と韓国に輸出された。その結果、これまでにない在庫逼迫感が強まり、価格は一時は670ドル台に高騰した。