ENEOSは、豪州クィーンズランド州ブリスベンに建設したメチルシクロヘキサン(MCH)を製造する実証プラントの運転を2月から開始した。これは、自社で独自に開発した低コスト型ハイドライド電解合成法を活用して、水素キャリアの一つであるMCHを製造するもので、150kW級の中型電解槽と250kWの太陽光発電設備を組み合わせてグリーンMCHを製造する。2023年2~9月の期間中に製造効率の最大化を目指して亜熱帯環境下で電解槽の耐久性の確認や太陽光の発電量変動に合わせ、プラントの運転調整した場合の最適運転・制御技術の開発を行う。
また、期間中には燃料自動車向け400~600台分(水素約2~3万トン相当)のMCHを製造する。これを日本に輸送し、同社の中央技術研究所で水素を取り出す予定。この実証によって得られた知見を活かし、2025年度をめどに商用化の際に使う5MWクラスの電解槽の開発を目指す。
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