原油・コンデンセート=7月29日~8月2日:日本の製油所の動向に関心集まる
アブダビ産原油のダスやマーバンをはじめとした10月積み商いでは、日本のエネルギー企業による需要動向が相場を動かす大きな要因の一つに挙げらた。日本では秋口以降、複数の製油所で大掛かりな定修の実施が予定される。ENEOSが操業するは根岸製油所(日量15万3,000バレル)では、9月末~11月末の予定で、常圧蒸留装置の稼働を止めて設備の検査が実施される。コスモ石油は10~11月の予定で、同社の千葉製油所で定修を実施する予定としている。また太陽石油も、同社の四国事業所の第1常圧蒸留装置(同10万6,000バレル)および第2常圧蒸留装置(同3万2,000バレル)において、いずれも12月から定修を実施する。シンガポールのトレーダーは、日本の製油所の定修は春と秋の不需要期に集中する傾向にあり、この部分は大方予想どおりとする一方、「日本の製油所は老朽化が目立ち設備障害の頻度が高まっていることから、日本向けの原油需要は常に下振れのリスクがある」と伝えた。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 アフリカ産原油の商いでは、セネガル産の新原油サンゴマール原油の生産が増加した。8月積みのサンゴマール原油はオペレーターの豪ウッドサイドに計3カーゴ(各95万バレル)の割り当てが予定されたうえ、9月には計4カーゴの供給が見込まれた。ウッドサイドは最初の輸出となる7月積みの計2カーゴを入札で英シェルへ販売済み。サンゴマール原油はAPIが31.1度、硫黄分が1%前後の中質サワー原油。
【南方】 インドネシア国営プルタミナが運営するバリクパパン製油所(日量36万バレル)は、7月下旬に操業を再開した。同製油所は5月25日に発生した火災の影響で稼働を停止し、7月初めの稼働再開を目指して復旧作業を続けていたが、稼働再開が遅れていた。バリクパパン製油所の操業再開に伴い、プルタミナは8月上旬に開示する10月着原油の買い付け入札で、購入量を8~9月着に比べて増やす可能性がある。
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