原油・コンデンセート=9月6~10日:サウジAEL、10月OSPは前月から1.20ドルの大幅下げ
中東原油/コンデンセート サウジアラビア国営サウジアラムコが5日にアジアのターム契約者に通知した10月積みのOSPフォーミュラは、軽質油種のアラブエクストラライト(AEL)が前月比で1.20ドル引き下げられ、ドバイとオマーンの平均に対し2.00ドルのプレミアムとなった。中東産軽質原油の需要後退を受けた。域外産原油、とくに米国産WTI原油が米国内の需給緩和を背景に中東産原油に対して割安にアジアへ流入したことが主な要因。複数の市場関係者は、「下げ幅は事前予想を大きく上回った」(シンガポールのトレーダー)と述べた。AELはすでに前月9月積みの段階で割高となっていたことで、ターム契約者は9月積みの引取り量を抑えていた。このため、サウジアラムコは今回、10月積みのOSPを大幅に下げることで、販売量の回復を狙ったとみられている。価格設定のめどとして、競合油種のマーバンを考慮したとの見方が寄せられた。IFAD市場における11月限がドバイ市況に対して2ドル超えのプレミアムだった。「相場の先安を見据えたうえで、すでに軟調に展開していた11月限のマーバンとほぼ同水準にまで下げてきたのではないか」(北東アジアの需要家)。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 11月積みサハリン産ソコールのプレミアムが大幅に拡大した。アジアにおける軽油の精製マージンが上昇し、ソコールの相場が上昇した。インド石油天然ガス公社(ONGC)が8日に締め切った販売入札で、対象の11月5~11日積みソコールを販売した。買い手は三井物産で、価格はドバイ市況に対して3.80ドルのプレミアムと伝えられた。三井物産は同カーゴをGSカルテックスとみられる韓国の需要家をフロンティングして購入したとみられる。「8月末に発生したハリケーンの影響で米メキシコ湾岸の石油生産が回復しておらず石油製品の供給が逼迫しており、アジアにおける製品の精製マージンが改善していることが背景にある」と北東アジアの需要家は指摘した。また中国では9月後半に独立系石油会社向けに4回目の原油の輸入枠割当てが予定されており、中国の需要回復も相場を押し上げたとの見方も寄せられた。
南方原油/コンデンセート 11月積みベトナム産原油の商いでは、同国の国営PVオイルが13日締め切りでチムサオの販売入札を開示した。対象は11月11~15日積みの30万バレル。相場の見通しとしては、アジアにおける軽油などのクラックスプレッドが拡大していることが強材料とみられる一方、ベトナム産の供給が引き続き高水準であるとみられることや、需要がどの程度あるかが不透明との見方が寄せられた。軽油などのクラックスプレッドの拡大は、米国を直撃したハリケーンのため、米国の製品の供給がタイトになっていることが背景とみられる。「製品マージンだけを見れば、11月積みのチムサオの相場は上昇してもおかしくないものの、実需がどれだけあるかが不透明だ」と北東アジアの需要家は指摘した。その他の11月積みのベトナム産原油の商いでは、PVオイルが既報のとおり、2カーゴを対象としてスツデンの販売入札を10日に締め切る。 |