アジア石油製品=9月6~10日:10月後半着ナフサ上昇、基材需要増で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。北東アジアの石油会社が10月積みの販売を徐々に始めている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は9日、10月27~31日積みとして93RONガソリン25万バレルの販売入札を開示した。この他、ベトナムのニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)が8日、9月15~30日積みとして95RONガソリン3万トン型1~2カーゴの販売入札を開示した。応札の締め切りは13日。輸入ポジションであるベトナムでは新型コロナウイルスの感染が続いていることにより、需要が減少し、石油会社が余剰分を輸出に振り向けている。ただ、経済回復を目的に、同国政府は9月中旬からロックダウンなどの規制を緩和するとの見方も聞かれた。
ナフサ 北東アジア市場では、10月後半着品の成約水準が切り上がり、相場が強含んでいる。域内のエチレン相場は誘導品需要の堅調さなどを背景に上昇が続いており、ナフサに対するクラックマージンは400ドル弱まで拡大している。エチレンの基材となるナフサの需要はパラフィン比率の高いグレードを中心に伸長しそうだ。一方、中東積みナフサ相場の地合いも強い。カタール国営石油会社(QP)は10~12月期ターム販売契約を一部のトレーダーとグレードによってFOBベースで中東市況に対し25~28ドルのプレミアムで締結していた。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。欧州向けの需要が増え、基調は強含んでいる。欧州地域では新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことから、経済活動が回復し、軽油など石油製品の需要が増えている。アジア市場ではトレーダーが大型船で欧州地域向けとして調達しており、アジアの供給余剰が解消されているようだ。そのなか、10月日本積みがFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し65~70セントのディスカウントで成約されたとの噂が流れているが、詳細は明らかではない。また、SKエナジーは9日、10月5~7日、15~17日および23~25日積みMR船型3カーゴの販売入札を締め切った。この他、ベトナムのニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)が8日、9月15~30日積みとして2万5,000トン型1~2カーゴの販売入札を開示した。応札の締め切りは13日。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。現代オイルバンクは、デサン製油所(日量69万バレル)の残渣油脱硫装置(RDS)1基が9月に入って定修入りしている。同社は、別のRDS1基についても10月中旬から定修を予定している。これによってVLSFOの生産は減少する可能性があるものの、製油所稼働に大きな影響はなく、90%を上回る稼働率を維持するもよう。また、SKエナジーも10月中旬からRDS1基の定修を計画している一方、10月のVLSFOの供給量を9月よりも増やす見通しにある。
|
|