アジア石油製品=2月15~19日:ジェット燃料は堅調、地震で日本石油会社の引き合い増加
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。春節の連休で商いが一時的に停滞していたとあって、新規売買の動きは少ない。ただ、中国海洋石油(CNOOC)の恵州煉化(日量44万バレル)は、2~4月に常圧蒸留装置(日量18万バレル)の定修を実施する。このため、3月積みガソリンのスポット輸出が減少する見通し。一方、インドネシアからスポットの買いが浮上している。インドネシア国営プルタミナは、3月分として92RONガソリン20万バレル型2カーゴの買付け入札を実施している。
ナフサ アジアのオープンスペックナフサの市況は原油市況の上伸を背景に底堅い。日本では13日に発生した地震による停電の影響で、ナフサクラッカーの稼働停止が相次いだ。三井化学の市原工場、出光昭和シェルの千葉工場で同装置が停止したほか、住友化学および丸善石油化学の千葉工場で一部装置にトラブルが生じた。ただ、17日以降には徐々に稼働が再開しており、相場への影響は軽微だった。一方、中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は軟化。このところ軟調な北東アジア着相場の影響を受けた。
中間留分 北東アジア積みジェット(MR船型)の市況連動相場は変わらなかった。しかし、日本の元売りが3月積みのジェット燃料MR船型を物色しているとの情報が寄せられた。日本の元売り1社はジェット燃料や灯油の在庫が減少し、日本商社からSR船型の灯油を買い取ったとの話も聞かれる。日本では2月13日の地震以降、複数の製油所が稼働を停止しているためだ。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化傾向。韓国では旧正月の連休明け後も、バンカー向けVLSFOの安値での大量販売が続いており、VLSFOの基材となる0.5%S重油の市況にも下押し圧力が増している。現代オイルバンクがVLSFOの大量販売を継続しているほか、Sオイルも今後、VLSFOのバンカー向け販売量を増やしていく方針。ただ、Sオイルは自社系列ターミナル以外の保管コストを削減しており、増販の足かせとなっているもよう。韓国の市場関係者は「じきにVLSFO基材となる0.5%S重油相場も下がるだろう」とみている。一方、日本では東北地方の火力発電所10基余りが地震の影響で緊急停止したものの、早期復旧見込みの設備も多く、冬場の電力需要もピークアウトする中で、重油を再び輸入するような動きはないとの公算が高い。
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