LNG=2月15~19日:北東アジア着相場は小幅弱含み、気温上昇でガス需要減
DES北東アジア相場は小幅弱含んだ。商いの中心となる4月前半着が6.30~6.50ドルと前日から10セント軟化した。中国をはじめ各地で気温が上昇したため、発電や空調向けのガス需要が減少した。韓国の需要家に加え東北電力など一部の需要家が期近となった3月着のスポット購入を検討したが、4月着に対して買い気を示したのは、ポートフォリオプレーヤーなどごくわずかだった。中国石油化工(シノペック)は、1月着ベースで複数カーゴをスポット購入したが、その後、国内需要が計画を下回ったため、足元の市場ではこれら購入したカーゴの転売を検討した。日本では、関西電力や中国電力が1月入り後、LNGの不足を補う目的で高硫黄重油及び低硫黄重油を調達したが、国内卸電力価格が1月下旬以降急落したこともあり、重油を消費することに注力したことから、LNGのスポット需要は皆無となった。
インド向けの商いは期近着が中心だった。インド国営ペトロネットが19日締めとして2月24日~3月1日コチ基地(年間受入能力500万トン)もしくはダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着を対象とした買付け入札を開示した。ペトロネットが買付け入札を実施するのは3週間ぶりだった。一方、独立系大手リライアンス工業(RIL)とグジャラット州石油会社(GSPC)が16日締めの入札を通して、2~3月着を買い付けた。RILは2月28~3月2日ハジラ基地(年間受入能力360万トン)着を6.20~6.30ドルで、GSPCは3月7~9日インド西部着を6.25~6.30ドルで購入した。
米国南部は深刻な寒波に見舞われたため、ガルフ地区のプロジェクトで生産障害が頻発した。フリーポートプロジェクト(年産2,250万トン)では原料の天然ガスの不足で第1液化系列の稼働が停止した。もう1系列の稼働が停止しているとの見方もあった。またキャメロンプロジェクト(同1,350万トン)では停電のため、一部設備の稼働が停止した。コーパスクリスティ(同1,350万トン)、サビンパス(同2,250万トン)の各プロジェクトでは天然ガスを送る設備が凍結し、減産を余儀なくされた。ただ、「寒波は1~2週間で峠を越しそうなため、LNGの出荷減も短期間で解消されるのでは」(日本の需要家)との楽観的な見方もあった。 |
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