LNG=1月4~8日:北東アジア着相場は続騰、需給の引き締まりが顕著
DES北東アジアのスポット市場は暴騰した。2月後半着の相場は17.50~17.80ドルと昨年末から6.90ドル大幅に切り上がった。需要が旺盛な反面スポット玉が少なく、買い手が唱えを切り上げざるを得なくなった。市場ではポートフォリオプレーヤーに加え、日本、韓国の需要家が買付けに動いた。買唱えは17.00ドル台半ばまで上昇した。スポット玉が払底しつつある超期近な1月着および2月前半着の買付けを断念し2月後半着の調達に動く企業も多いが、2月着自体のスポット玉が早くも限られ始めたことで、相場は上値追いの展開となった。期近着のスポット購入がおぼつかないことから、一部の日本の電力会社は火力発電所の出力を切り下げ、LNGの消費量の調整に動いた。超期近着カーゴの商いでは、九州電力が1月後半から2月着カーゴの買付けを検討。米エクソンモービルが8日締めで1月後半に豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)で船積みし2月前半に北東アジアへ到着するカーゴを対象に販売入札を開示したが、品薄感は解消されなかった。
国営石油会社(IOC)が4日締めの入札を通して、2月21日着を13ドル台半ばで購入した。2月8日着については落札されなかった。バングラデシュのルパンタリタプラクリティックガス(RPGCL)が4日および5日締めで実施していた2月着を対象とした買付け入札は、現時点で結果は明らかとなっていない。対象は前者が2月3~5日着、後者が2月16~18日着だった。一方でバハラット国営石油(BPCL)は、1カ月近く新たな買付け入札を開示していない。BPCLは前回12月9日締めの入札を通して、2月4日着を8ドル半ば~後半で購入していた。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州着の相場が低迷する一方、北東アジア着相場が上昇していることで欧州の再輸出玉をアジアへ仕向ける動きが強まった。特に、長期傭船で潤沢な船団を構築し、スポット傭船相場に比べ廉価なコストで運航可能な船舶を抱えるメジャーなどポートフォリオプレーヤーが転売に動いた。12月下旬以降、10カーゴ近くが再輸出された。このうち仏モントワール基地(年間受入能力865万トン)で1月4日に再輸出玉を船積みした標準型「グレースダリア」号(容量17万7,000立方メートル)は、地中海を東に向け運航しており、1月末に北東アジアへ到着するとの見方が有力。 |
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