アジア石油製品=1月4~8日:韓国積みジェット燃料は下落、新型コロナの感染拡大で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、北東アジアの石油会社が2月積みのスポット販売を本格化している。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は、1月29日~2月2日と2月1~5日積みとして93RONガソリン25万バレル型2カーゴの販売入札を実施している。応札の締め切りおよび価格の有効期限は、いずれも7日。韓国では、GSカルテックスが2月積みとしてMR船型1カーゴの売りに出ているものの、詳細は明らかではない。一方、新型コロナウイルスの感染が続いている中、東南アジアの需要は依然として弱い。このところ、インドネシアやベトナムなどからスポットの買いが見られない。
ナフサ 北東アジアのスポット市場について、日本では、新型コロナウイルスの感染急拡大を背景に緊急事態宣言が7日に発令され、人出の減少による需要の減少が懸念されている。ただ、日本の市場関係者は「新車や中古車の販売台数はむしろ伸びており、人々の行動変容による乗用車の個人利用の推進でガソリン需要は底堅く推移し、ガソリン基材としてのナフサ市況への影響も軽微となるだろう」との見方を寄せている。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟調。需要不振が相場を下押した。新型コロナウイルスの感染が続いている中、航空業の国際便の需要回復が進まず、ジェット燃料の需要は依然として低迷している。一方、灯油の本格的な需要期に差し掛かり、日本向けにジェット燃料の買いが続いている。日本の元売り1社が2月前半積みとしてジェット燃料MR船型1カーゴの調達に動いている。これに対し、韓国積みの売唱えはFOBベースでシンガポール市況に対し30~35セントのプレミアムが一般的なようだ。いまのところ、成約の情報は寄せられていない。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。韓国石油会社によると、「韓国のバンカー市況は堅調なものの、船舶燃料向けVLSFOの基材となる0.5%S重油の韓国積み相場は上昇していない」という。一方、台湾ではフォルモサ石油化学(FPCC)が1月初旬積み熱分解油(PFO)1万トンをシンガポール市況(0.5%S)に対し50.00~55.00ドルのディスカウントで販売に至っていたと伝えられる。同社は1月積み低硫黄重油の販売入札については、今のところ計画をしていないという。また、台湾中油(CPC)は2月着0.3%S重油4万トンの買付け入札について、7日に応札価格の有効期限を迎えた。今のところ結果は明らかでない。
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