LNG=12月21~25日:日本の電力会社、LNGが不足し火力発電の出力調整へ
日本では、複数の電力会社がLNGを燃料とする火力発電所の出力調整を始めた。気温が例年を上回るとの予報に沿い、火力発電の出力を落とし、LNGの消費量を減らす意向だ。JERAが袖ケ浦発電所の3基と姉崎発電所の4基で、関西電力が相生火力発電所でそれぞれ12月下旬から出力調整を始めるとともに、東北電力、九州電力もLNGの在庫が計画の水準を大きく下回った。12月入り後の寒波の影響で計画以上に在庫が取り崩されるなか、複数プロジェクトのトラブルを背景に長期契約の追加や前倒し供給が困難となったことが影響した。日本企業は「とにかく12月末にかけての期近なタイミングで在庫が不足気味になっている。期近着ではスポット玉も少ないうえ、石炭や重油の買増しも機敏性に欠ける」としている。関西電力は低硫黄重油、中国電力は高硫黄重油を焚き増してピーク時の電源に充てているが、夜間を含むベースロード電源へ充てる燃料がやや不足気味となった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 国営パキスタンLNG(PLL)が10日に締め切った買付け入札は23日、応札価格の有効期限を迎え落札が確定した。対象は1月20~21日、1月26~27日、1月29日~2月1日ガスポート基地(年間受入能力560万トン)着計3カーゴ。いずれもカタールペトロリアム(QP)の応札が最安値で、落差価格はそれぞれブレント原油価格の17.3203%、同17.3207%、同15.3209%となった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州着相場が北東アジア着や南アジア着相場に比べ大幅に安いことから、欧系トレーダーなど一部ポートフォリオプレーヤーが欧州の再輸出玉をアジアへ仕向けた。欧州内では南欧着価格が北西欧州着に比べ高いことから、北西欧州出しを南欧に仕向ける動きも散見された。12月12日に仏モントワール基地(年間受入能力865万トン)で再輸出玉を船積みしたDFDE型「マランガストロイ」号(容量15万9,800立方メートル)は、同21~22日にトルコのアリアガ基地(同450万トン)へ到着した。トレーダーがアリアガ基地を運営するエネルギー大手エゲガスに、モントワール出しをDESベースでスポット販売した。 |
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