アジア石油製品=12月21~25日:韓国積み0.3%S重油は上伸、堅調な需要を反映
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。1月積みの商談は終盤を迎え、スポットの取引は活発ではない。中国海洋石油(CNOOC)が21日、入札を通して1月20~21日華南積みの92RONガソリン(酸素含有率最大0.5%)MR船型を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し30セントのプレミアムと伝えられた。一方、インドネシアやベトナムなどの東南アジア諸国からは依然としてスポットの買いが見られない。ベトナムは1月分の買いを終えているようだとの声が韓国石油会社から聞かれる。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が2月半ば着ヘビーフルレンジナフサを日本市況に対し9ドルのプレミアムで購入に至ったとの情報がある。北東アジアの市場関係者によると、「ターム契約においても、ヘビー系グレードのプレミアムが上がっており、来年のガソリン需要が経済回復から上向くとみられていることが背景」という。また、今週はクリスマス休暇を目前に韓国勢による買い気は後退するとみられる一方、日本勢が年内最終の営業週のため買付け入札を実施すると目されている。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上伸。生産調整を背景に売り物が少ない中、灯油の需要期入りを背景とした買い気が強まっている。日本では製油所稼働率の低さおよび灯油の本格的な需要期入りを背景に、改質して灯油にする、もしくはジェット燃料を買い付けて自社製油所で精製した灯油を北日本に転送するといった石油会社が韓国積みの物色を進めているという。売り手の唱えはシンガポール市況対比で70セント超のプレミアムであるケースが多い。中国積みについてもこれまで分解軽油の需要が旺盛だったことからジェット燃料油の精製量が少なく売り物は少ないとの指摘が寄せられた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。韓国や日本、台湾などでの堅調な需要を受けた。韓国では、原子力発電所の停止によって韓国東西発電(EWP)が火力発電向け重油の使用を再開している。日本では、このところ液化天然ガス(LNG)価格が高値で推移する中で、LNGだけでは発電需要が賄いきれない状況となっている。また売電価格が高騰していることで、LNGの代替として重油を使用しても採算が確保できることから、電力会社が火力発電向け重油を焚き増しており、重油の需要が増加している。これを受け、電力会社向けに三菱商事などが0.3%S重油の輸入の動きをみせるのではないかと目されている。一方、台湾では台湾電力(Taipower)向け国内発電需要が堅調な中で、定期的な台湾着の買付けもみられている。このような背景のもと、「韓国積み0.3%S重油の成約可能水準は、シンガポール市況(180st)に対し60.00ドル程度のプレミアムで推移している」と市場関係者はみている。
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