アジア石油製品=12月14~18日:韓国みジェット燃料は上昇、需給の引き締まりで
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。フレートの急騰が相場を下押した。中国からガソリン輸出用の傭船が増えているため、フレートが上昇しているようだ。大連西太平洋石油化工(WEPEC)は15日、1月15~17日大連積みの93RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し90セントのディスカウントと伝えられた。トレーダー筋が同カーゴを92RONガソリンの扱いで購入しているため、92RONガソリンの成約価格も同水準になりそうだとの見方がトレーダーから聞かれる。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、年末の駆け込み需要が顕在化。三菱ケミカル旭化成エチレンが1月後半着パラフィニックナフサ(パラフィン比率80%)を日本市況に対し13ドルのプレミアムで購入に至ったもよう。三井化学は1月後半着玉を日本市況に対し10ドル台前半~半ばのプレミアムで購入したようだ。また、昭和電工は1月後半着玉を日本市況に対し10~12ドルのプレミアムで買い付けていたようだ。さらに、三菱ケミカルもナフサの調達に動いている。そのほか、2月着品調達の動きも出てきている。韓国のLG化学は1月後半着および2月初旬着玉の買付け入札を実施している。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は2月半ば着ヘビーフルレンジナフサの買付けに動いている。大韓油化工業(KPIC)は1月後半着および2月後半着カーゴの購入に食指を動かしている。一方、来週には三井化学が2月前半着ナフサの買付け入札を開示すると目されている。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。需給の引き締まりが相場を押し上げた。既報のとおり、精製マージンの不調を背景に、北東アジアの石油会社は製油所の稼働を抑えている。そのため、北東アジアの石油会社による1月積みのスポット供給は極めて限られている。一方、灯油の需要期を迎え、日本からジェット燃料の輸入需要が続いている。これまでに、日本の元売り3社が1月積みジェット燃料の買いに動いていたのは既報のとおり。その中、1月韓国積みジェット燃料MR船型が日本向けに成約されたとの情報が寄せられた。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し50セントのプレミアムと伝えられた。日本の元売り1社は足元、1月後半積みのジェット燃料を物色しているものの、韓国積みの売唱えはFOBベースで同市況対比80セントのプレミアムで聞かれる。同元売りはすでに1月前半積みジェット燃料を調達している。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国では、バンカー向けVLSFOの輸出はシンガポール向けなどみられるものの、VLSFOの基材となる0.5%S重油の取引は確認されず。また、日本では製油所の稼働率が平均80%程度まで上昇しており、低硫黄重油の供給も増えている。ただ、コスモ石油などから0.5%S重油の輸出は聞かれず。一方、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は12月積み分解重油(PFO)について入札を通じて販売した。価格は明らかとなっていない。また、同社は12月積み低硫黄重油の売買入札は計画していないものの、1月積み高硫黄重油の販売入札については検討しているもよう。
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