石油化学=11月30日~12月4日:ベンゼン上昇、誘導品相場高に連動
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は一段高となった。主要な誘導品であるスチレンモノマー(SM)相場高を受けた。SM設備は採算性の向上で高稼働を維持しており、世界的にベンゼンの需給は引き締まっている。また、トルエン相場もベンゼン高にけん引され上昇した。パラキシレン(PX)相場はおおよそ同値圏での推移となった。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は前週と同水準で推移した。当週の取引では、12月着品が900ドル台後半で成約されたと伝えられた。これまで北東アジアの一部メーカーが設備トラブルに伴う不足分を補うため買付けに動いていたが、当面の必要量を確保しつつあるもよう。市場参加者の多くは2021年の契約価格交渉を開始している。
アジアのプロピレン相場はいずれも強含んだ。
北東アジア市場では、輸入品の供給に依然として引き締まり感があるうえ、日韓向けに引き続きスポット需要が見られるなか、売り手が強気な姿勢を崩さない。一方、中国需要家は国内品の供給に潤沢感があるため、輸入品に対する買い気が強くない。こうした状況下、売買双方のアイデアが開いており、成約しにくい商況となった。
FOBベース市場では、台湾メーカー1社が入札を通し12月積み1万トンをスポット販売した。
東南アジア市場では、タイPTTGCが12月積みの入札を実施した。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
北東アジア市場では、供給にタイト感が続いているなか、仕入れコストが高くなっている。これを受け、売り手が強気な姿勢を見せている。しかし、需要家の多くが12月までの買いを終えており、取引に積極さが見られない。こうした状況下、週後半に入って静かな商況となった。