石油化学=11月9~13日:全面高、原油高や設備トラブルで
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は大きく上昇した。誘導品であるスチレンモノマー(SM)相場の上昇を背景に、SMメーカーの生産意欲は高まっているようだ。SM市場では韓国メーカー1社がナフサクラッカーの停止を受け、SM設備を停止するとの観測も出ている。パラキシレン(PX)相場は原油やナフサ高に支えられ水準を切り上げている。
【オレフィン】
北東アジア着と韓国積みのエチレン相場は上昇した。韓国のLG化学は前週に発生した火災でナフサクラッカーが停止した影響により、12月着品の買付けを続けている。このなか韓国向けを中心に需給の引き締まり感が強まった。当週の商談では、12月5~10日に中国で積み込まれるカーゴが韓国向けにCFRベース840ドルで成約されたと伝えられた。
アジアのプロピレン市場は、いずれも強含んだ。
北東アジア市場では、設備の定修およびトラブルが続いているなか、供給に引き締まり感がある一方、韓国のLG化学がスポット市場で不足分を買い付けていることを受け、需給にひっ迫感がある。こうした状況下、いずれの相場も押し上げられた。
東南アジア市場では、エクソンモービルのナフサクラッカーの定修明けが遅れているうえ、タイメーカー1社のオレフィン設備も足元で定修中であるため、供給に引き締まり感が強い。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
アジアのブタジエン市場は、韓国でロッテケミカルとLG化学のナフサクラッカーが稼働停止しているなか、韓国向けの需要が旺盛。こうした状況下、販売余力があるメーカーは韓国向けの供給を優先している。
東南アジア市場では、メーカー1社が12積みを対象に販売入札を実施した。