アジア石油製品=11月9~13日:韓国積み0.05%S軽油は上昇、中国向けLCO販売増
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。買い気の強さが相場を押し上げた。豪州向けの需要が増えているようで、トレーダーの買いが強まっている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は10日、入札を通して12月12~16日と17~21日積みの93RONガソリン(0.005%S)MR船型2カーゴを販売した。トレーダー2社がFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し80セント強と1.00ドルのプレミアムでそれぞれ落札したとの情報がある。また、中国海洋石油(CNOOC)も同日、12月9~10日華南積みとして92RONガソリン(酸素含有率最大0.5%)MR船型を販売した。価格はFOBベースで同市況対比30セントのプレミアムと伝えられた。
ナフサ 北東アジア市場では、三井化学が12月後半着オープンスペックおよびパラフィニックグレード(パラフィン比率78%)各2万5,000トン合計5万トンを日本市況に対し1けた台前半~半ばのディスカウントで購入に至ったと伝えられる。市場関係者によると、「日本着ナフサ市況はやや軟化した印象で、インターマンススプレッドもコンタンゴとなっており、足元の相場の弱さが意識されている」という。背景として、韓国のLG化学がエチレンの調達に動いているため、同社のナフサクラッカーの稼働再開が遅れるとの公算が高まっていることで、直近のナフサ需要の後退が顕在化していることがある。一方、三井化学は1月起こし年間ターム契約の買付け入札も実施している。応札価格の有効期限は13日。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場が底上げされている。供給の引き締まりが相場を押し上げた。精製マージンが低迷している中、北東アジアの石油会社はスポットの販売を抑えている。また、韓国の石油会社などは中国向けにライトサイクルオイル(LCO)の販売を優先しているようだ。このため、市場ではスポットの売り物が見当たらない。一方、台湾周辺の海上取引用として0.05%S軽油の需要が増えているのは既報のとおり。この中、12月韓国積み0.05%S軽油の成約が可能な水準はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し1.50ドル近辺のディスカウントになりそうだとの指摘が複数の市場関係者から聞かれた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、韓国では、バンカー市場が盛況な中国舟山向けVLSFOの輸出はみられる一方、0.5%S重油カーゴの需要は弱い。韓国トレーダー筋によると、「買い手がみつからないため、日本積み玉の輸入も控えている」という。また、このところの原油高によって石油製品のクラックマージンが悪化していることを受け、GSカルテックスは製油所の稼働率を60%台まで引き下げているもよう。ただ、供給引き締まり感はみられず。その中、コスモ石油は12月20日~1月5日積みボトム油4万トンの販売入札を実施している。応札の締め切りは12日。
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