LNG=10月26~30日:北東アジア着相場は反落、高値警戒感強まる
DES北東アジアのスポット市場は急反落した。商いの中心となる12月前半着の相場は7.00~7.30ドルと前日から60セント安となった。10月末にかけて市場のセンチメントが強気一辺倒ではなくなった。北東アジア着相場の急騰を受け、日本の電力会社など一部買い手が割高感からスポット購入を控え始めた。買戻しの需要を抱えるポートフォリオプレーヤーに加え、韓国や中国の独立系エネルギー企業が依然としてスポット購入に動いているものの、高値警戒感から買付けに慎重な姿勢を取る需要家が増えた。米国出しの供給増に加え、マレーシア国営ペトロナスも販売に動いていることから、スポット供給量は全体的に少なくなく、需給引き締まりが解消され始めた。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 バングラデシュ国営ペトロバングラの傘下であるRPGCLが買付け入札を開示した。12月9~12日に同国のモヘシュカリ基地(年間受入能力380万トン)へ到着する1カーゴを対象とした入札を11月2日に締め切る。RPGCLはさらに、モヘシュカリ基地へ12月22~26日に到着する1カーゴを対象とした買付け入札も開示し11月3日に締め切り、応札価格の有効期限を同19日に設定している。RPGCLは10月20日締めで、12月9~12日着カーゴの買付け入札を開示していたが、応札価格を割高として購入を見送っていた。しかしバングラデシュでは、発電用のガス需要が増加しているためRPGCLがスポットベースでLNGを購入する必要があるとみられ、改めて入札を実施せざるを得なかったようだ。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 パナマ運河ではメキシコ湾側で多数のLNG船が停泊しているもよう。この背景には、米ガルフ地区からのLNG供給が急増したこと、濃霧による視界不良で運航が遅れるケースが多発していることがあるようだ。「メキシコ湾では10月後半から12月にかけ、濃霧で船舶の運航に影響が発生することが多い」(日本需要家)との見方がある。この影響で北東アジア向けのLNG船の到着は、予定より10日ほど遅れそうだ。
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