LNG=10月19~23日:北東アジア着相場は暴騰、韓中台向けの需要が旺盛で
DES北東アジアのスポット市場は暴騰した。商いの中心となる12月前半着の相場は6.85~6.95ドルと先週末から1.15ドル上昇した。韓国、中国、台湾向けの需要が旺盛な半面、豪州や米国出しの供給減が続いており品薄感が強まった。台湾中油(CPC)は23日までに、台中基地(年間受入能力400万トン)へ12月上旬に到着する1カーゴを6.927ドルで購入した。英BPが個別交渉で販売した。対象カーゴに数量などの特別な条件が付いていたことから価格がやや割高になったとの見方も寄せられた。しかし、12月前半着相場は7.00ドルもしくは7.00ドルを小幅下回る水準まで切り上がっているとの見方が増えている。米国の複数プロジェクトの供給が度重なるハリケーンの影響で縮小するなか、豪州ではゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)の供給障害や、プレリュードプロジェクト(同390万トン)の供給停止の長期化など生産量が通常の水準を大きく下回っている。冬場に向け品薄感が強まっている。また、このところの傭船相場の暴騰も北東アジア着相場が上昇する一因になっているとの指摘も聞かれた。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 インド国営ガス公社(GAIL)は21日、12月5~15日にインドへ到着する1カーゴを対象とした買付け入札を実施し、当該カーゴは6.60ドルで落札した。GAILは同時に、米サビンパスプロジェクト(年産2,250万トン)で1月12~14日に船積みする1カーゴを対象とした販売入札を21日締め切りで開示していたが、当該販売入札での落札は見送られた。応札価格がGAILの目標に沿わなかったためとみられる。これらはスワップ入札をしてGAILが開示していた。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 露ノバテックが8日に締め切ったヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)出しを対象とした販売入札は、12月1日~2021年6月末の間に船積みする計7カーゴが、いずれも欧州着ベースで落札となった。落札者の詳細は明らかとはならなかったものの、落札価格は低いもので蘭TTFに対して2セントのディスカウント、最も高いものがTTFに対して5セントのプレミアムとなるなど、総じてTTFフラット前後で決着した。ヤマルプロジェクトでは生産が好調な一方、海氷の厚さが増す冬場の間は北極海ルートで北東アジアへカーゴを販売できないため、12月以降に供給余力が増える傾向にある。 |
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