電力=9月7~11日:東が一段高も西が軟化、相場は東高西低に
9月7~11日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が上昇した一方、西日本が急落。このため、8月後半以降続いていた西高東低は解消された。西日本では、7日に九州地域を襲った台風10号により大規模停電が生じるなど、電力需要の減退を招いた一方、西日本全域で水力発電比率が上昇したため、割安な電力が市場に多く流れ込み、価格の上値が抑えられた。一方、東日本では、北海道や東北で記録的な高温を招いたほか、関東でも週初から猛暑となるなど、需要増加見通しに連動してスポット価格も上昇。8日受渡と9日受渡の東日本では高値で40円台を付けるなど、底上げの動きが進んだ。また、北海道では、11日7時から12日19時にかけ北本連系線で計画外の作業が実施されることを受け、連系線の運用量が低下。断続的な市場分断が発生し、11日受渡の北海道では16時~17時に40.00円を付けるなど独歩高の動きとなった。
週を通じた実勢高値は、9日受渡の東日本で付けた46.24円、実勢安値は7日受渡から9日受渡の西日本で付けた3.79円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は前週比0.13円高の11.21円、東北は同0.24円高の10.05円、東京は同0.20円高の10.05円、中部は同7.10円安の8.49円、北陸と関西は同7.16円安の8.43円、中国と四国は同7.38円安の8.17円、九州は同6.33円安の7.25円だった。
9月7~11日の9エリアの電力需要は134億6,124万7,000kWhとなり、8月31日~9月4日の141億2,518万kWhから4.7%減少した。なお、曜日を合わせた前年の9月9~13日は138億3,507万4,000kWhで、前年比では2.7%の減少となった。
JEPXの先渡市場では、約定がなかった。
東京商品取引所の電力先物市場では、日中取引(8時45分~15時15分)で10日に、立会外取引で8日と11日にそれぞれ約定があった。日中取引では、西エリア日中ロードの20年9月限で11.55円、数量は5枚だった。また、立会外取引では、8日が東西の日中ロードの20年9月限でそれぞれ200枚、価格は東エリアが10.30円、西エリアが11.25円だった。11日が東エリアのベースロードの21年2月限で7.25円、価格は50枚だった。20年9月限の約定については、残暑に伴う需要増加と定期点検入りの発電設備増加に伴う予備力の低下が意識され、ヘッジの動きが強まったもよう。一方、21年2月限の約定については、ラニーニャ現象の発生により、冬場の寒さが強まる見通しとなったことで、価格上昇に対する警戒の動きが出たと見られる。
欧州エネルギー取引所(EEX)では、約定がなかった。
9月14日の週は、全般的にスポット価格は落ち着いた水準で推移しそう。14日は東海地域で猛暑に迫る予報が出ているが、西日本全域では週を通じて30度前後、東日本では14日の関東で30度を下回る見通しとなるなど価格は軟化傾向が進みそう。ただ、定検などで一定期間停止する火力発電などが増えるため、予備力は一段と低下することから、設備トラブルなどが生じた場合、思わぬ高値を付けるリスクはある。 |
受渡日 |
7日 |
8日 |
9日 |
10日 |
11日 |
システム |
9.16 |
8.82 |
10.32 |
7.46 |
7.76 |
約定量 |
962,161 |
1,007,282 |
966,502 |
973,957 |
978,578 |