アジア石油製品=9月7~11日:韓国積み0.5%S重油は急落、台風でバンカー需要消失
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。需要が乏しく、相場は上値が重そうだ。インドネシアやベトナムなどの主要な需要国から依然としてスポットの買いが見当たらない。新型コロナウイルスの影響で、これら国の内需が減少しているとみられる。一方、北東アジアの石油会社が10月積みのスポット販売を徐々に始めている。中国海洋石油(CNOOOC)は10日、10月10~11日華南積みの92RONガソリンMR船型の販売入札を開示し、11日に締め切った。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国の石化メーカー1社が10月後半着ナフサを日本市況に対し4ドルのプレミアムで購入に至ったもよう。一方、アジア市場関係者によると、「先行きの日本着ナフサ相場は上げ基調で推移するだろう」という。要因として、「このところの割安感から需要が増えているほか、日本や韓国の製油所が定修や減産により低稼働となっており、供給が引き締まっている」(同)ことが挙げられている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落。需要が乏しく在庫は積み増し傾向にあるため、相場は軟調だ。特に今後は、国内需要が低迷している中国積みの売り物が増加するとの見方が寄せられている。先行きの市況が弱含むとの見方が伝えられており、一部には、10月韓国積み品の商談水準が、FOBベースでシンガポール市況対比1.20ドルのディスカウントに弱含むとの観測も伝えられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は急落。韓国では、台風の影響によって港湾の船舶航行に遅滞が生じており、バンカー需要の消失でVLSFO基材としての0.5%S重油の引き合いも後退していることを受けた。一方、Sオイルは台風の影響を受け、オンサン製油所(日量65万バレル)の流動接触分解(FCC)装置を停止しているもよう。
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