電力=8月31日~9月4日:西が一段高、気温差映し東との格差拡大
卸電力市場は東日本が小幅続落し、西日本が一段と上昇した。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(8月31日~9月4日受渡)の平均でみると、前の週(8月24~27日受渡)と比べ、東日本が1kWh当たり(以下同)0.44円安(4.2%低下)の9.92円、西日本が2.96円高(24.2%上昇)の15.21円。東日本と西日本で気温が大きく異なり、需給バランスも両市場間で格差が大きくなった。特に週の前半で東日本では予想気温が低下傾向を強め、冷房需要の急減から、価格が大きく下がる場面があった。対照的に西日本の各地では、猛暑が続き、季節外れの高水準の冷房需要を背景に、価格に対し上昇圧力が一段と加わった。日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場の2日受渡の1コマ(30分間)で、西日本6エリアの約定価格が50.30円を付けた。東日本と西日本の平均の格差は西高東低のままの5.29円と、前の週の1.89円から拡大した。
週前半の不均衡な気温が市場を東日本と西日本の格差を広げた。東日本の東京の予想最高気温(気象庁の前日発表)は31日が(セ氏)34度、1日が30度、2日が31度。東京に先んじて涼しくなった仙台は28度、27度、28度。札幌は23度、25度、26度。一方、西日本の大阪は37度、36度、36度、名古屋が38度、36度、35度、福岡が35度、37度、35度。週前半、周波数変換設備(FC)を挟んで、東日本は電力が余り気味となり、西日本はもっぱら買い手の間で市場調達の不安心理が高まったと考えられる。
JEPXの1日前市場では、最も市場規模の大きい東京エリアの平均が9.85円と、前の週と比べ0.05円上昇した。1日受渡と2日受渡が6円台前半へと極端に落ち込んだが、そのほか3日間は11円以上の水準と乱高下し、小幅高に収まった。気候条件の違いや本州との連系線の制約により独自の動きになりやすい北海道エリアは、同6.63円安の11.07円。気温の急落の影響が顕著に表れたと考えられる。両域間の価格差は、東京安・北海道高の1.22円と、前の週の7.90円から大幅に縮小した。 西日本の最大市場である関西エリアの平均は15.59円と、前の週と比べ3.22円の上昇。価格が他地域と比べ割安水準で推移することの多い九州エリアは、同1.69円高の13.58円だった。両域の価格差は2.01円と、前の週の0.48円から拡大。関西は、昼間の上げ幅が大きく、とりわけ、1日の中で気温が高くなりやすいピーク時の平均の上昇幅は11円を上回った。
JEPXのスポット取引(1日前市場)は31日受渡から4日受渡で、システムプライス・24時間の平均が、前の週と比較して0.51円高(4.7%上昇)の11.28円だった。同期間の1日平均の約定量は約9億8,200万kWhと、前の週より4,900万kWh減った。
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