石油化学=8月31日~9月4日:エチレン上昇、米ハリケーンなどで
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は供給の潤沢感が強いなか、原油相場の動きに連動した推移となった。今後も中国国内の製油所の新増設に伴いベンゼンの生産量は増加する見通しにある。このなか上値の重い展開が続きそうだ。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は週半ばには鄭州商品取引所でのPTA先物高に連動し強含みとなる場面もみられた。しかし、ベンゼンと同様に供給の潤沢感が強く、原料コストの指標となるナフサ相場との格差は縮小した状況が続いている。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は大幅に上昇した。米国を襲ったハリケーンの影響により、ルイジアナ州などでは多くの石油化学設備が稼働停止しており、エチレン供給に対する懸念が高まっている。米国のエチレン相場の堅調さによりアジア向けのアービトラージが閉じていることや、アジアで複数のエチレン設備の定修が予定されていることからも、品薄感は強い。この状況下、買いアイデアが750~780ドル、売りアイデアが850ドルで聞かれている。
アジアのプロピレン市場は、いずれも強含んだ。
北東アジア市場では、供給にタイト感が強いなか、売り手が販売を急がず、様子見姿勢を取っている。一方で必要玉を買い終えていない需要家は売り手に追随せざるを得ない。こうした状況下、相場の基調が強まった。
東南アジア市場では、エクソンモービルのナフサクラッカーが9月中旬以降に定修入りするため、プロピレン供給に引き締まり感があるもよう。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
アジアのブタジエン市場では、売り物が少ないなか、売り手は強気な姿勢を見せており、アイデアを700ドル以上に引き上げている。一方、需要家には依然としてスポット需要がある。こうした状況下、需給に引き締り感が出ており、相場が押し上げられた。