原油・コンデンセート=8月31日~9月4日:ADNOCの供給削減、サウジOSPへの影響に注目集まる
中東原油/コンデンセート サウジアラビア国営サウジアラムコは、今週末から来週頭にかけて10月積みのOSPを通知するとみられる。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が先月末、10月積み同国産原油のアジア向けターム供給を30%程度削減すると通知した。一方、アジアにおける精製マージンは依然低迷しており、インドや日本では製油所稼働率が再び低下している。中国でも製品在庫が積み上がり、山東省沖には荷揚げできていないタンカーが複数待機するなど、原油需給は改善の兆しを見せていない。こうした状況で、サウジアラムコが新OSPをどのように設定するか、多くの市場関係者の注目を集めている。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 10月積みアンゴラ産原油の商いでは動きが鈍い。アンゴラ産の代表的な需要家である中国勢が先月、まとまった数量のWTIミッドランドなどの米国産原油を手当てしたこともあり、アンゴラ産などの需要を侵食しているとみられ、中国などの引き合いが鈍い。アンゴラの生産者ソナンゴルはカビンダ、ネンバ、サツルノなどのスポット玉を抱えて販売交渉を続けているようだ。10月積みのアンゴラ産原油は、未だに20カーゴ近いカーゴが未消化だとの情報も寄せられた。一方、ソナンゴルは10月積みダリアとパズフロールを中国の需要家にスポット販売した。10月積みカビンダはこれまで米シェブロンが1カーゴ販売していたことが判明した。買い手の詳細は不明ながら、価格は成約当時、DTDブレントに対し20セント前後のプレミアムだった。その後、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が同指標に対して50セント前後のプレミアムでカビンダを手当てした。
南方原油/コンデンセート 10月積みベトナム産チムサオの市況連動相場が下落した。マレーシア産やインドネシア産など、代替油種となる原油の相場が急速に軟化していることから、ベトナム産に対する評価も徐々に低下している。豪州やタイの需要家にとって代替油種となるマレーシア産キマニスの相場はDTDブレント指標に対してディスカウントに転じている。また、ベトナム産原油と同様に軽油および重油の得率が高いインドネシア産バンユーリップの相場も、DTDブレント指標に対して50セント以下のプレミアムにまで軟化している。この環境下で、市場関係者からは「チムサオの実勢相場はDTDブレント指標に対して1ドル以下のプレミアム」(北東アジアの需要家)と指摘されている。 |