電力=7月27~31日:前週比で上昇もベースは東で5円台・西で4円台
7月27~31日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに上昇。前週は木曜および金曜が祝日だった影響で価格も割安だったため、その反動で高くなった。特に27日受渡の西日本では、13時30分~17時が10.32~15.00円で推移し、一段高となった。4連休明けで需要増加に対する警戒が強まったと見られるほか、雨が続いていた中で関西エリアや九州エリアで30度を超える気温が予想されたことで買い気が強まったもよう。ただ、7月としては全般的に割安な状況が続き、ベース価格は週を通じて東日本が5円台、西日本が4円台で推移した。
週を通じた実勢高値は、27日受渡の西日本で付けた15.00円だった。一方、実勢安値は27日受渡の西日本で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は前週比0.78円高の5.48円、東北と東京は同0.81円高の5.40円、中部、北陸、関西、中国、四国、九州の西日本6エリアは同1.02円高の4.72円だった。
7月27~31日の9エリアの電力需要は124億7,439万8,000kWhとなり、7月20~24日の122億7,718万5,000kWhから1.6%増加した。なお、曜日を合わせた前年の7月29日~8月2日は151億1,416万8,000kWhで、前年比では17.5%の大幅減となった。
JEPXの先渡市場では、28日と29日に約定があった。関西エリアの8月1日~7日受渡の昼間型(平日8時~18時受渡)で、価格はいずれも7.09円、数量は28日が5MW、29日が4MWだった。梅雨明けを想定した約定価格と見られ、市場関係者からも「妥当な水準」(新電力の市場取引担当者)との見方が聞かれた。
東京商品取引所の電力先物市場では、29日に日中取引(8時45分~15時15分)で約定があった。東エリアのベースロード電力の2020年7月限で4.82円が2枚だった。また、30日には立会外取引で約定があった。東エリアのベースロード電力の2020年8月限と同9月限で、価格はいずれも6.30円、数量はそれぞれ2枚だった。
欧州エネルギー取引所(EEX)では約定がなかった。
8月3日の週は底上げの動きが進むと見られる。7月28日に九州南部で梅雨明けとなったのに続き、30日には九州北部と四国、中国地方、31日には近畿、1日には東海と関東甲信、2日には東北南部がいずれも梅雨明けとなった。最高気温も西日本では35度の猛暑に迫る地域が多いほか、東京でも30~33度の予報で、全国的に冷房需要が強まる見通し。潤沢な太陽光発電も見込まれるものの、需要増加の影響が価格に波及する可能性が高い。ただし、潤沢な供給力と新型コロナの感染拡大の影響で上値は限定的と見る向きが多く、高値でも20円に達するのは厳しいとの声も聞かれている。 |
受渡日 |
27日 |
28日 |
29日 |
30日 |
31日 |
システム |
5.25 |
5.34 |
4.71 |
4.72 |
4.77 |
約定量 |
910,751 |
953,345 |
950,583 |
954,871 |
967,441 |
注:単位は円/kWh |
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