石油化学=7月27~31日:ベンゼン上伸、米国での設備トラブルで
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は週半ばに一段高となる場面がみられた。米国市場では週明けにシェルがDeer Parkで保有する製油所で火災が発生し、常圧蒸留装置が停止したことから、米国のベンゼン相場が上昇していたことが材料視された。一方、パラキシレン相場は上値が重い展開が続く。中国での新増設が控えているため供給の潤沢感が強い。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は弱含んだ。買い気の弱さを受けた。誘導品であるエチレングリコール(EG)の設備で稼働調整が続いていることなどから、買い気は高まりづらい。固定価格の商談では、9月初め着に830ドルの売りアイデアがみられた。一方、買いアイデアは8月着品に対して800ドルを小幅下回る程度で出ていた。市況連動では、9月初めごろに到着するカーゴが北東アジア着市況に対し35ドルのプレミアムで成約された。
アジアのプロピレン市場は、北東アジア着および東南アジア着は小幅安となった。韓国積みはほぼもち合った。
北東アジア市場では、中国需要家の買い気が後退した。しかし、アジア品の供給にタイト感があるなか、売り手が強気な姿勢をみせているなか、相場は小幅安となった。中国で新規プロパン脱水素設備2基が稼働開始したうえ、9月以降に複数のプロピレン設備が立ち上げを予定しているなか、国内のプロピレン供給に潤沢感が強まっている。これが中国需要家の買いが後退した背景。
韓国積みでは、ロッテケミカルにスポット需要がある一方、設備の定修が続いているなか、供給タイト感がある。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
アジア市場では、供給に引き締まり感があるうえ、原料コストが高値を維持しているなか、売り手が強気な姿勢を見せている。一方で韓国需要家の買い気が強いなか、相場の基調が強まった。また、中国国内相場が先週から上げ基調となったことも強材料視された。