LNG=5月18~22日:北東アジアで複数の需要家が買いに動く
【DES北東アジア】
北東アジアでは、日本、韓国、中国の複数需要家が、長期契約玉に比べ足元のスポット相場を割安として期近着を含めスポット購入に動いている。中国のガンフイエナジーは15日までに、同社の啓東基地へ6月下旬から7月上旬に到着する1カーゴを2ドル台半ばで購入。韓国高炉大手ポスコは19日締めの小規模入札で光陽基地へ6月中旬に到着するカーゴを2.30~2.40ドルで手当てした。この他これまでに、東北電力、四国電力、大阪ガスがこれまでにスポット玉を購入するとともに、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、米シェブロンが豪州のプロジェクトの代替購入を検討するなど需要は総じて旺盛だった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
カタールガスが積極販売を控えており、ひところ強まっていた供給余剰感が薄れていた。カタールガスのラスラファンプロジェクト(年産7,700万トン)の沖合には10隻以上の船舶が船積みに向け待機していた。ガス田や液化設備で障害が発生してはいないと見られたが、液化設備の生産効率がやや落ちている可能性が聞かれた。滞船費用があるので荷主が船舶を安易に待たせることはない。カタールガスの供給が計画に比べやや落ちていることが考えられるとの指摘が寄せられた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
米国では月、7月積みともに20~30ものカーゴがキャンセルされそうとの見方が聞かれた。アンゴラLNGは18日にDESベースの、19日にFOBベースの販売入札を締め切った。対象は前者は到着タイミングが不明ながら最遠の仕向け先でシンガポール、タイなどで、後者が7月11~20日積みだった。一方南米では、アルゼンチン国営IEASAが6~7月着を、コロンビアのカラマリLNGが5~6月着を対象にそれぞれ買付け入札を実施した。