石油化学=5月18~22日:エチレン一段高、6月品の品薄感で
【アロマティクス】
アジアの芳香族製品は週半ばまでは堅調な原油相場に押し上げられる展開となった。その後は原油が急反落する場面もあり、芳香族製品相場も押し下げられる展開となった。また、中国国内で一部の石化製品在庫が増加しているとの観測もあり、芳香族製品相場の上値を圧迫する要因になっているもよう。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は続伸した。アジアのナフサクラッカーでの定修や不具合により、供給に不足感があることを受けた。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が当週に実施した6月積みの販売入札は、FOBベース650ドル以上で落札された。この価格を踏まえると、中国着での売り手のコストは680~700ドル程度になるもよう。一方、7月以降に到着するカーゴでは域外品の売り物がみられ、先行きは品薄感が後退するとの観測が聞かれる。
アジアのプロピレン市場は、いずれも強含んだ。
北東アジア市場では、輸入品の売り物が少ないうえ、中国国内相場が堅調に推移するなか、相場の基調が強まった。アジア域内のプロピレン設備で定修が多いなか、供給に引き締まり感がある。
韓国積みでは、メーカー1社が入札を通し6月積みを販売した。また、ほかのメーカー1社が個別交渉で6月積みをスポット販売した。
東南アジア市場では、タイPTTGCが6月積みの対象に販売入札を実施した。
アジアのブタジエン相場は、いずれも強含んだ。
北東アジア市場では、供給潤沢感が解消されたことを受け、売り手が強気な姿勢を見せており、相場が押し上げられた。域外品の売り物が見られなくなっているなか、売り手側の販売圧力が解消された。一方で需要家は先行き相場に不透明感があると依然として慎重な買い姿勢を取っている。
東南アジア市場では、メーカー1社が市況連動価格で6月積みをスポット販売した。