電力=1月13~17日:暖冬の影響で上値の重い展開、先物市場でまとまった約定も
1月13~17日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、暖冬の影響で引き続き上値の重い展開となった。特に寒冷地を抱える東日本では、記録的な暖冬で降雪にも恵まれず、電力の余剰感が強まり、週を通じてベース価格は8円台で推移。一方、西日本は週前半が7円台、天気が悪くなり太陽光発電が減少した週後半は8円台で推移し、東西価格差も急速に縮小した。
17日までの電力需要は、前年比4.7%減の425億4,329万8,000kWhに留まり、全9エリアで前年事績を下回った。北陸が同7.5%減と落ち込みが大きく、記録的に降雪が少ない影響が需要動向にも表れた格好。水力発電比率が高い北陸では、降雪が少ないと、春以降の雪解け水が少なくなるため、水力発電の減少を招く可能性もある。代替えで石油火力などの稼働率が増えれば、発電コストの上昇を招き、卸電力価格をはじめ、小売価格の上昇にも波及しかねない。なお、東北も同5.7%減と暖冬の影響を強く受け、以下、東京が同4.7%減、中部が同4.5%減、中国が同3.6%減、九州が同3.5%減、四国が同3.3%減、北海道が同1.9%減だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道は9.12円、東北と東京は8.39円、中部から四国の5エリアは8.00円、九州は7.77円だった。曜日を合わせた前年(14日~18日)の価格は、北海道が20.58円、東北と東京が11.37円、中部から四国の5エリアが8.77円、九州が8.63円だった。寒冷地を抱える東日本が暖冬の影響を大きく受けている格好だ。
JEPXの先渡市場では、久しぶりに約定があった。15日に1件の約定があり、関西エリアの週間24時間型の1月25日~1月31日受渡分で、価格が8.68円、約定量が5MWだった。
東京商品取引所の電力先物市場では、立会外取引(ブロック取引)でまとまった約定があった。15日は、東エリアのベースロードの2020年2月限で50枚、約定価格が9.70円、東エリアの日中ロードの2020年4月限から2021年3月限の12カ月分で各月20枚ずつの計240枚、約定価格はいずれも11.25円だった。また、17日には東エリアのベースロードの2020年2月限で50枚、約定価格が9.65円、さらに2020年4月限から2021年3月限の12カ月分で各月50枚ずつの計600枚、約定価格が9.70円だった。同日には西エリアのベースロードでも約定があり、2020年4月限から2021年3月限の12カ月分で各月10枚ずつの計120枚、約定価格が8.60円だった。 日中取引(8時45分~15時15分)では、14日、16日、17日に約定があった。14日は、東エリアのベースロードの2020年2月限で52枚、約定価格は9.75~9.85円、さらに2020年3月限で1枚、約定価格は8.89円だった。16日は、東エリアの日中ロードの2020年1月限で5枚、約定価格は9.56 円だった。17日は、東エリアのベースロードの2020年2月限で20枚、約定価格は9.80円、西エリアのベースロードの2020年2月限で1枚、約定価格は8.81円、東エリアの日中ロードの2020年2月限で13枚、約定価格は10.80~10.90円だった。
20日の週は、引き続き上値の重い展開が続きそう。週を通じて高めの気温が続く見通し。特に週後半には九州南部の最高気温が20度に達する予報で、東京や名古屋、大阪でも15度前後の予報となっている。 |
受渡日 |
13日 |
14日 |
15日 |
16日 |
17日 |
システム |
7.29 |
8.06 |
8.01 |
8.54 |
8.86 |
約定量 |
825,645 |
902,649 |
923,741 |
909,410 |
909,902 |
注:単位は円/kWh |
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