アジア石油製品=1月13~17日:0.5%S重油は後退、相場過熱感から
ガソリン 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は上昇。日本の需要拡大観測が強材料となった。日本国内と韓国からの輸入採算は、キロリットルあたり10,000円程度の国内高が続いている。このため、「ガソリン不需要期にも拘わらず、一部の日本商社から引き合いがある」(韓国の石油関係者)という。日本向けの韓国品の成約可能な水準については、「FOBベースでシンガポール市況に対し、少なくとも2.00ドルを超えるプレミアム」(同)との声が聞かれた。
ナフサ アジアではエチレン価格が上昇しているものの、ナフサに対するエチレンクラックマージンはトン当たり250ドルを下回る水準にとどまっている。そのため、石化メーカーによるエチレン減産は当面継続するとみられ、基材ナフサの需要も低迷しそうだ。一方、中東では1~3月期に多くの製油所の定修入りが計画されている。また、ナフサに比べてプロパンなど液化石油ガス(LPG)価格が上昇しているうえ、欧米からアジア向けアービトラージ品の供給が減少するなど、ナフサ市況にとって上げ材料が重なっている。「アジアでは一部にクラッカー減産など弱材料も見られるが、強材料が優勢となり日本着市況はやや反発している」とアジアの石油会社は伝えている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は週前半に上昇し、その後下落した。週始めに軽油市況につれ高となったものの、週後半には需要不振が相場を下押した。フレート高を背景に、アジアから域外向けの輸出採算が厳しい。また、豪州の需要も芳しくないため、トレーダー筋はカーゴの調達に積極的ではない。北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場も同様の動きをみせ、このところの相場に対する割高感から、買い気が減退した。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は後退。アジア域内での相場過熱感を受け、相場水準が下落した。一方、韓国石油1社は、残油流動接触分解(RFCC)装置の稼働を引き下げ、代わりにVLSFOを増産することを検討しているもよう。中国では、0.5%S重油の輸出に対する課税免除措置が承認された。ただ、国内の供給確保の観点から輸出数量は制限される方針で、「中国のVLSFOの輸入ポジションは変わらず、市況への大きな影響はない」(同)とみられている。
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