LNG=1月6~10日:DES北東アジア相場は軟化、先安観強まる
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は先週、軟化した。昨年末以降スポット需要の少ない商況が続いており、相場に先安感が強まった。米国がイラン革命防衛隊を攻撃したことで中東の政治・軍事的緊張が高まりブレント原油を始め原油相場が大きく上昇しているものの、LNGは供給過多が解消されず市場のセンチメントは弱気に傾いた。原油価格の上昇に伴いLNGの長期契約の価格に割高感を強める需要家の一部がDQT(下方数量弾力性)条項を行使して長期契約の引き取りを減らしてスポット購入量を増やすことの検討を続けていたが、ガス需要が伸びておらずスポット購入には動かなかった
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジア、中東相場も先週、下落した。インドの需要家が断続的に買いに入っていたが、売り物は多く、相場のセンチメントは弱かった。インド国営ガス会社(GAIL)は6日に締め切った入札で1月10日着を6ドル前後で購入した。販売可能なプレーヤーが非常に限られたため、2月着以降の相場を大幅に上回る水準で成約された。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
FOB大西洋、DES欧州、DES南米の相場は先週、下落した。欧パイプラインガス相場はこの時期としては非常に低い水準で推移していた。足元の需給が非常に緩いことが要因だった。英ロンドンでは気温が平年を大きく上回っていた一方、パイプラインガス、LNGとも潤沢に供給されていた。年明け以降、欧州へのロシア産パイプラインガスの供給が大きく減少したが、ノルウェーなどからパイプラインガスは潤沢に供給されていた。また米国や露ヤマルプロジェクト出しのLNGの引き取りも高水準であるため、NBPなど欧州のガス相場を下支えするには至らなかった。