電力=11月25~29日:東日本が上げ幅拡大、夜間に30円台など寒波で需要増に警戒
11月25~29日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が上げ幅を拡大し、西日本も小幅高となった。週を通じて曇天の日が多く、太陽光発電が限定的となった中、東日本では週半ば以降に寒波が強まり、価格が急伸。夜間で30円台を付ける日もあるなど、一段高の商況となった。
週初こそ高めの気温で価格も上値の重い展開となったものの、26日受渡では東日本が気温低下で上昇。太陽光発電が増える見通しとなった西日本は日中時間帯の価格が軟化したものの、太陽光が減少する時間帯で底上げの動きとなり、夜間も上げ幅を伸ばした。全国的に曇天予報となった27日は、東西ともに昼間主導で上昇し、東日本では16時台に30円を付けるなど上げ幅を伸ばした。市場では、北海道-東北間の市場分断が解消したことで寒さが強まっている北海道の価格が東京にも波及したとの声があった。28日受渡および29日受渡では、東日本の夜間時間帯で30円台のコマを付けるなど夜間価格の上昇が大きくなった。東日本全体で寒さが強まり、夜間の暖房需要が増加傾向となる中、一部火力発電の計画外停止なども底上げ要因となったもよう。
JEPXの先渡市場では約定がなかった。
東京商品取引所の電力先物市場は、少量ながら連日で約定があった。25日は、西エリア日中ロードの2019年12月限で1枚、価格は9.09円だった。26日は、東エリア日中ロードの2019年11月限で1枚、価格は9.85円。27日は、東エリアのベースロードと日中ロードでそれぞれ約定があった。ともに2019年11月限で、約定量はそれぞれ1枚。価格はベースロードが8.78円、日中ロードが9.99円だった。28日は、西エリアのベースロードで約定があった。2019年12月限で約定量は1枚、価格は8.38円だった。29日は、東エリアの日中ロードで約定があった。2020年3月限で約定量は1枚、価格は10.69円だった。なお、日中ロードは2019年11月限が29日に限月落ちとなり、新たに21年2月限が期先限月(新甫発会)となった。12月2日には、東西のベースロードで限月が更新され、21年2月限の新甫発会時の基準価格は東ベースロードが10.30円、西ベースロードが9.20円となる。
いよいよ冬の需要期に入るが、12月2日の週は上値が限定的となりそう。週明けは天気が悪く、太陽光発電は見込めないものの、広い地域で高めの気温が予想され、需要が鈍化傾向になると見られるためだ。3日以降は再び低めの気温が予想され、北海道は連日で降雪予報が出ているものの、ほかの地域は一定の晴れ間が広がる見通しで、太陽光発電は期待できそう。このため、日中は価格が軟化傾向となり、夕方以降に底上げの動きになるという展開が続くと見られる。また、12月からは相対電源の保有率も高まるため、当面は高値買いの動きも抑制される可能性が高い。 |
受渡日 |
25日 |
26日 |
27日 |
28日 |
29日 |
システム |
7.92 |
8.47 |
10.01 |
9.68 |
9.54 |
約定量 |
809,088 |
841,585 |
824,445 |
855,108 |
853,343 |
注:単位は円/kWh |
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