アジア石油製品=11月25~29日:北東アジア積み0.001%S軽油は下落、弱材料重なり
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合った。12月積みの商談は終盤を迎え、スポットの取引は活発ではない。12月韓国積みの95RONガソリンSR船型がベトナム向けに成約された程度。一方、東南アジア諸国からも引き続きスポットの買いは確認されていない。この他、ドバイ原油に対するガソリンの精製マージンは9.50ドル近辺に推移している。この時期としては、良好な水準と言われている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では取引価格が高止まりしている。背景の一つに、韓国需要家のスポット調達が続いていることが挙げられる。北東アジア需要家筋によると、「市況高騰のため、韓国勢が1月起こしのターム玉の買付け契約の締結を先延ばしにし、不足分をスポット調達している」という。また、このところ、石油製品の精製マージンが悪化していることで、製油所稼働率が低下している。一方、アジアのナフサクラッカーはフル稼働の状態が続いており、需給引き締まり感が強い。ただ、「製油所の稼働が下がれば、じきにクラッカーの稼働も下がるだろう」(アジアの市場関係者)。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軒並み下落した。マーケットに弱材料が重なっている。年末のため、トレーダー筋が12月積みカーゴの調達を抑えている。また、このところフレートも上昇している。その上、シンガポールの先物市況は期先安に推移しているため、12月後半積みの相場に下押し圧力が生じている。詳細は不明ながら、12月後半韓国積みの0.001%S軽油がFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し60~70セントのディスカウントで成約されたとの情報が寄せられた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇。需給引き締まりを受けた。国際海事機関(IMO)による船舶燃料の硫黄分規制強化を目前に控え、韓国では0.5%S重油の需要が増加。これに対して供給は限られており、相場は強含んでいる。同国ではS-オイルや現代オイルバンクが11月から0.5%S重油の供給を開始したほか、GSカルテックスやSKエナジーもスウィート原油を輸入し、0.5%S重油の生産を増やしているもよう。ただ、「急増する0.5%S重油の需要に対して供給が間に合っていない」(韓国石油1社)という。
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