石油化学=11月18~22日:ブタジエン小幅反発、売り圧力が後退
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は前週をやや上回る水準で推移した。原油相場の動きに連動した。一方、誘導品であるスチレンモノマー(SM)相場との価格差が縮小しており、上値は重い。パラキシレン(PX)相場は前週とほぼ同値圏で推移した。先行き、PXの新増設設備からの供給増が見込まれるため、売り気の強い商況が続いている。
【オレフィン】
北東アジア向けのエチレン相場は強含んだ。一部の需要家は12月品の買付けを終えていないもよう。一方、売り手は2020年の契約交渉を優先しているためスポットの売り物が限られるなか、相場は押し上げられた。シェルが12月、シンガポールに保有するナフサクラッカーの定修を終えて再開することから、先行き供給の品薄感が後退するとの見方が聞かれる。一方で誘導品やプロピレン、ブタジエンの採算性が低下しているため、ナフサクラッカーの稼働が引き下げられる可能性があるとの指摘もある。
アジアのプロピレン市場は、北東アジア着および東南アジア着はもち合ったが、韓国積みは小幅安となった。
アジアのプロピレン市場は、12月着の交渉が一巡しつつあるなか、売り、買いの唱えが薄く、静かな商況となった。
韓国積みでは、先週まで多くメーカーが在庫処理を進めてきた結果、足元で販売圧力が薄まった。しかし、中国まで船運賃が上がったため、北東アジア着相場との格差が拡大した。一方、台湾メーカー1社が入札を通し11月末~12月積み5,000トンをスポット販売した。
アジアのブタジエン相場は、いずれも反発した。
アジアのブタジエン市場では、これまで見られた安値の売り物が消えているほか、域外品の売り物も多くないなか、供給余剰感が薄まった。加えて原料であるナフサ市況が高値を維持しているなか、相場が押し上げられた。
東南アジア市場では、タイPTTGCが12月積みを対象に販売入札を実施したが、最終的にタイ国内向けに販売されたもよう。